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私たちを子どもでいさせてくれてありがとう
漫画家の鳥山明先生、そして声優のTARAKOさんが急逝されました。
2日連続での突然のニュースに、ドラゴンボール、ちびまる子ちゃん、どちらもど真ん中世代の私は、言いようのない悲しみに包まれています。
ネットもテレビもお二人への感謝の気持ちを表す一方で、とても受け止めきれないといった悲痛な思いを吐露されている方々もたくさんいて、お二方の功績がどれほどのものだったか、計り知れないものがあります。
私が初めてドラゴンボールに触れたのは、アニメでした。
物心付いた時に放送されていたのは、「ドラゴンボールZ」。
クラスの男子たちは、こぞって「カメハメ波」を打ち、絵を描かせればみんな悟空の顔になる。私たち女子はそんな彼らを冷ややかな目で見つめて、からかっていました。
ただ、私は、誰にも言えなかったけど、夕方に再放送されていたZの前日譚である「ドラゴンボール」にすっかり魅了されていて、レッドリボン軍との戦いや天下一武道会が面白くて面白くて、再放送を見るために、学校が終わると走って帰って、食い入るようにテレビを見ていました。
あの、次が待てない、早く続きが見たい!と思わせてくれる、ドキドキわくわくする気持ちを最初に教えてくれたのは、ドラゴンボール、鳥山先生だったのかもしれません。
それからGTまで、なんだかんだ私はアニメを見続けて、漫画も全巻揃えて、再び放送されることになった「ドクタースランプ」もしっかり見て、ドラクエだとⅤとⅧをハマってプレイして、ドラクエのモンスターならキラーマシンとスライムナイトが好き!と言えるくらい、私の人生に鳥山先生の存在は当たり前のようにあって、あの鳥山先生特有のキャラクターデザインや魅力的な乗り物は、自分の中に細胞レベルで刻まれているような気がします。
きっとご本人も突然のことで、びっくりしたんじゃないでしょうか。
「あれ、わし死んじゃったの?」って、悟空に「おめぇ、なにやってんだあ」ってからかわれてるかもしれないなって、そんなことを想像するとクスっと笑えて、同時に涙が出てくる。気持ちが混ざり合って、まだ咀嚼できないでいるのは、私の中に鳥山先生の存在が大きいことの証だと思っています。
強さとは何か、真の友情とは何か、面白おかしく生きることの大切さを教えてもらいました。鳥山先生、どうぞ安らかに。お忙しい人生だったと思うので、そちらで思う存分ぐうたらしてください。本当にありがとうございました。
そして、「ちびまる子ちゃん」の中で、まるちゃんを演じ続けられたTARAKOさん。
私にとって、まるちゃんはTARAKOさんであり、TARAKOさんはまるちゃんでした。初めて声優という職業を認識したのもTARAKOさんで、そのお名前は小学校に入る前から知っているほどでした。
まるちゃんのアニメがきっかけで、わたしは「りぼん」を買うようになり、そこから数々の素晴らしい作品に出会い、かけがえのない子ども時代を過ごすことができました。
日曜の夕方のちょっと憂鬱なあの時間に、涙が出るほど笑わせてくれたり、時には切なくさせられたり、等身大のまるちゃんは、いつも私たちに寄り添ってくれて、私たちと同じことで悩んだりトラブったり、いい子じゃなくたっていいんだよ。まる子だって、こんなに楽しそうに生きてるじゃないかと語りかけてくれました。
TARAKOさんのまるちゃんがいなかったらなんてことは想像もできません。あの可愛らしい憎めない声で「あたしゃ…」と話す、まるちゃんが見られなくなるなんて、とても寂しいです。
先に旅立たれたさくらももこ先生が、きっと待っていてくれることかと思います。TARAKOさん、どうぞ安らかに。本当にありがとうございました。
個人的には、チバユウスケさんが去年末に亡くなってからずっと、続けて追悼文を書いている気がして、かなり滅入っています。
自分の人生に大きな影響を与えた人たちが亡くなるのは、こんなにも悲しくて辛いことなのかと思い知っています。
ドラゴンボールが本当にあればなあ。
神龍が、みーんな生き返らせてくれるのに。
そう思わずにはいられません。
あの時代、子どもらしい子どもでいさせてくれたのは、間違いなく「ドラゴンボール」や「ちびまる子ちゃん」があったから。
生き残った私たちが、今の子どもたちに何ができるのか。
作品を通して教えてもらったことを、しっかり次に繋げるように、まずは目の前のことから、ひとつひとつ頑張っていくしかありません。
どうかみなさん、そこから見ていてください。
そちらへ、少しは胸を張って向かえるよう、精進します!