詩 〜瞳のなか〜

金色の瞳に吸い込まれて
いつの間にか魚になった
夕日に輝く海をゆらゆらと
流されるままに揺蕩う

清白な瞳に吸い込まれて
いつの間にか鳥になった
澄み渡る大空をばさばさと
勢いに任せて飛び回る

空疎な瞳に吸い込まれて
いつの間にか花になった
虚ろな世界にひらひらと
舞ってひとつの実を結ぶ

寒冷の瞳に吸い込まれて
いつの間にか雪になった
茶色い大地にはらはらと
積もり春を待ちわびる

貴女の瞳に吸い込まれて
いつの間にか星になった
目映いほどにきらきらと
絶えず心を照らしだす

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?