残響
水鞠のように子供たちは跳ねまわり
世界に残像を残して大人になっていく
真夏の太陽を相手に遊んだあと
校庭の蛇口から勢いよく押し出され
喉を潤すただの水道水が一番美味いと
自販機に入れるお金がない僕らは
それでも強がりじゃなくそう思った
大人と子供の中間地点に位置する彼ら
公衆トイレで用を足している友人におぶさり
おぶさられた彼は盛大にツッコミ皆大笑い
そんな単純なことで楽しめるのは悪くない
迷惑ではあるけれど見て心の中で笑った
少しずつ大人のふりをするのが上手くなった
みんなは本当の大人なのかは分からないけど
時間軸の前にしかいけないから仕方ない
不可逆なものに乗らざるを得ないんだから
それでも心はずっと後ろに置きっぱなしで
どんどんどんどん離れていってしまう
眠る前の無防備な瞬間は大人でいる舞台を降り
変わらないままの子供の心を思い出す
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