
連写でバババッなんて、そんな発想はなかった。
構図、構図って、よく言われるけれど。
そんなもの、気にしたことがない。
デジタルになる前から写真を撮ってきて、「構図とはこういうものです」なんて習った記憶がないし、なになに構図でなんて考えて撮ったこともない。そんなことよりも、ファインダーをのぞいて「これが撮りたい!」「こう撮りたい」と思うかどうか。大事なのはそこだった。
だから、右に寄ることもあれば、左に寄ることもある。真ん中にくることだってある。だけどそれは「構図がどうこう」ではなくて、ただ「そう撮りたかった」からだ。
あれこれ考えて工夫して撮るのが楽しかったし、人の撮った写真の意図を想像するのも楽しかった。
それにしても、デジタルになってから写真の撮り方が変わった。気軽に撮れる。どんどん撮れる。
昔はフィルムしかなかったから、1枚撮るのにお金がかかった。高校生の頃はとにかくお金がなかったから、シャッターを押す前に「どう撮ろうか?」とじっくり考えた。そうしないと、もったいない。連写でバババッなんて、そんな発想はなかった。
となると、もしかしたら、写真の上達にはフィルムで撮るのがいいのかもしれない。
あの「1枚1枚を大切にする感じ」が、写真を撮ることそのものを丁寧にしてくれるのかもしれない。
まあ、今さらフィルムに戻るのも大変だけれど。
でも、たまにはフィルムカメラを持って、1枚の写真にじっくり向き合うのも、いいかもしれないね。