3DテレビとPortalgraphで作る、自家製CAVEのご案内〜@藝大取手八谷研究室
先日、こんな記事を公開したのですが。
なんで3Dテレビをたくさん買い漁っていたのかと言うと、展示に使おうと思っているのですね。
で、取手の自分の研究室で色々技術的な実験していたのですが、観客がどう感じるかも知りたいし、せっかくなんで小規模に(セミ)オープンラボしてみようかな、と考えています。ちょうど11月20日(土曜)、21日(日曜)に「取手藝祭」というのがありまして、こちら、先端学生作品なども取手校地に展示されるので同じタイミングでやってみようかと思います。(なお、これは非公式イベントですが、感染症対策として、1セッションあたり5名までの予約制とします(無料)。予約サイトなどは後述します)
取手藝祭
それはそうと、「え?CAVEってそもそもナニ???」と思う方も多いですよね。簡単に書くと、1992年に米国のイリノイ大学が発表した「部屋全体が視覚提示装置」になっている設備で、壁3面と床の4面にプロジェクションし、体験者の視線をもとに映像を作る、という超力技のVR装置です。
これが発表されたあと、東大では「よっしゃ!さらに上をいっちゃる」ということで、天井まで投影面にして5面スクリーンにした「CABIN」というのができました。こちらの東大CABINを作った、廣瀬先生のエッセイはこちら。
CABINは1997年に爆誕するわけですが、こちら、床と天井に投影するため、非常に予算がかかったものと思われます。たぶん当時数億円かけて作られたんじゃないかな。CABINの一番偉大な点は、ここに書かれたとおり、のちに日本のVRを牽引する多くの研究者を生み出したことだと思います。また類似施設は、日本科学未来館や初台ICCやIAMASのある大垣、またJAMSTECなどにも作られました。ただ、残念ながら大掛かりな設備の常で、機材の更新などの事情やHMDがVRの中心に使われるケースも多くなったためか、CABINは2012年に撤去されてしまいます。また、他の設備も今はほぼ残っていない模様。
それからすでに10年ちかく経ってしまったわけですが、一方でCOVID19でVRゴーグルなど、顔への接触面積が多いものは展示に使いにくくなった今、「CAVEやCABINの後継はどんなものがあるのか?今だったら低予算で作れるのでは?」とか考えて実際に作ってみた「ホームメイドCAVE」は、VRとARの中間みたいな印象でした。
メリット
・数億円もしたオリジナルCAVEなどに比べると圧倒的に安価。3Dテレビ3台+3Dグラスたくさん+WindowsPC+VIVEトラッカー全部あわせて40万円くらい。
・OculusQuestやVIVEのようなVRゴーグルでの没入感には及ばないが、ARグラスよりは没入感があると思う。
・グラスは偏光フィルム使った立体グラス(20g程度)と帽子につけたVIVEトラッカー(75g程度)なので非常に軽い。またメガネをかけてても全く問題なし。顔を圧迫しないのでとにかく快適。
・多人数でわいわい話しながら参加可能<これが一番素晴らしい。もちろん視線の動きをトラッキングできるのは1名だけですが、他の人が見ていても、酔うとかの印象はない。(と感じてるのですが、これは要検証)
・個人で作れるレベルなので、趣味を全開にしたコンテンツを楽しめるはず。あとVtuberの配信するライブとかが考えられる。
デメリット
・3Dテレビが現在入手困難。現在はヤフオクやメルカリでの入手になる。
(導入が比較的容易なのでは3Dプロジェクタ1台(新品10〜20万円くらい)+両脇のプロジェクタは2D,というのアリでした)
・没入感はVRゴーグルには劣る。
・オリジナルほどではないが、少々場所をとる。
ということで、今回はPortalgraphを開発されたROBAさんのコンテンツをお借りして、技術デモを自分の研究室で公開したいと思います。(頭の位置の取得には、HTC VIVEのVIVEトラッカーおよびPortalgraphを使っています)
当日のコンテンツは、ほとんどROBAさんからお借りしたものになる予定です(私の作品の展示ではないです)。
当日は各時間帯ごとに
0分〜開場。手指消毒。
10分〜簡単な解説とデモ6〜7本程度(時間がない人は途中退出あり)
45分〜質疑応答や感想を聞きたいです。その後、閉場
みたいな流れになる予定です。
場所は東京芸大取手キャンパス、メディア教育棟の4階、404の八谷研究室です。時間は下記の予定です。感染症対策として、すべて予約制とします。(1セッションあたり、5名まで)
11月20日(土曜)
16時〜17時(八谷の知人でVR関係の招待のみ。Twitterで予約実施)
11月21日(日曜) 一般向け。Peatixでの予約とします。
10時〜11時 11時〜12時 13時〜14時 16時〜17時
<日曜日の研究室のPeatix予約ページ>
3DテレビとPortalgraphで作る、自家製CAVEのご案内〜
なお、こちら、この研究室の予約と並行して、校地への入場には別途取手藝祭の予約も必要です。お手数ですが2つの予約をおねがいします。
<取手藝祭予約ページ>
https://toridegeisai2021.peatix.com/
お手数ですが、どうぞよろしくおねがいいたします。