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絶対 押すなよ。

ドリルです。


今日 朝 雨が降っていました。

会社に出掛けるとき家から 傘を持って行こうとした時

気付きました。


僕は おっちょこちょい までいきませんが

 オッチョコチョくらいなので よく傘を忘れます。


気が付けば 僕の傘が家に一本もありません。

仕方なく もう使わなくなった 娘が3歳の時に使っていた傘を差して 自転車で駅まで向かい会社まで行きました。

雨の冷たさよりも周りの視線の冷たさの方が 身に沁みました……が 背に腹はかえられません。


会社に着くと 予想通り みんなにバカにされました。


人の事情を知らず そうやって嘲笑うが良い。

でも、みんなが笑顔になったんなら3歳児の傘を差して会社まで来た甲斐があった。


しかし、部下のマークンは しつこく笑って来るので

ムカついて傘で刺してやったが

3歳児の傘は 先が丸っこく

大したダメージにはならなかった。

安全設計だった。



そんな 辱めを受けたにもかかわらず 僕らの仕事は

結局 雨で中止。


「また、あの傘を差して帰るのか……。」

と思っていると、

掃除のおばちゃんのチマちゃんが、

「その傘やったら ちっちゃ過ぎて濡れるやろ?

  この傘 ずっとここあるから持っていき。

  どうせ捨てようと思ってたし。」


そう言って 見るからに婦人用の傘をくれた。

僕は 3歳児の傘を持ち

なんだか丸っこい マダムが差すような傘を差す

真っ赤なダウンを着たハゲたオッサン………

という世界観が崩壊した出で立ちで バスに乗った。


バスでは 席には 座らずに1番前に立ち

noteを開きみなさんの記事を読みながらスキを押したりフフッと笑いながら コメントを返したりしていた。


そして、バスが駅に着き 京阪電車に乗り換え 特急に乗り 大阪環状線に乗り換える。

自宅の最寄駅に着き 改札を出て 雨が降ってるのを見て気付く……………


「…………傘わすれた。」


そして、びしょ濡れになって歩いて駅から帰りました。


オッチョコの僕は noteでコメントを返すのに夢中になってバスで傘を忘れてきました。

雨が降ってるのに傘を忘れるという

 最早どうしようも無い僕ですが 

そんなどうしようもない失敗をして思い出した人物がいます。



そう……



タケダのオッサンです。

詳しくは、

まぁ、読むのが面倒臭い人もいると思うので

タケダのオッサン

見た目を 簡単にいうと

落武者を意識しているベイマックス

みたいな感じです。



そして、それは 15年程前の話し……

ちょうど 今頃 1月か2月の寒い時期でした。

大阪から奈良まで1時間程掛けて ダンプで

タケダさんと僕の2人で現場に

向かう時の話です。



「あぁ、ダケダさん。ダンプの窓、

 パワーウィンドウ やねんけど

 調子 悪いから ボタン押さんといてな。

 一回 開けたら 窓閉まらへんようなるから。」


えっ?そうなん?

 このクソ寒いのに窓 全開とか地獄やな!

 なに地獄やろ?

 極寒地獄か?ふふっ……ハハハハハっ!



「えっ?いや、何が おもろいの?こわいよ。

 まぁ、とにかく 行きに開けたら帰りも 寒いんやから

 絶対 押したらあんで!


「わかってるやん。

 俺も生きてるうちから 

 極寒地獄 味わいたくないしな。」


そうして、特に 会話も無く30分ほど 走り

山道に差し掛かったところで、





『ウィーーーンッ』





「…………?おい!おいっ!

 タケダさん?タケダよっ!

 なんで窓あけてんの!?」


「えっ?タバコ吸おうと思って。」


「いやいや、ほんの30分程前に 言うたよね?

  窓 閉まらんから アカンよって!!」



「あぁ!そういえば 言うてたな!

 忘れとったわ!」


「そんな お約束いらんねん!

 1人で極寒地獄行ってよ!

 寒すぎて笑われへんから!

 ほんで なんで途中で止めんと全開にすんの!?」



「何か 癖みたいなもんかな?

  一回全開してから

  閉めて微調整みたいな?」



「何なん その癖?

 迷惑過ぎるわ。ピンポイント迷惑やわ。

 とにかく 今は 我慢して現場まで行くしかないから

 現場 着いてから何とかしよ!」


そう言って 現場につき 作業長が

「なんなん お前ら?唇 真っ青やん!」



「はい、タケダさんが 開けたらアカンいうてるのに

 窓 開けるから この寒いのに

 窓全開できました。」


「ハハハッ、さすが タケダのオッサンやな!

 まぁ、昼から雨降るって言うてるから

 早く終わらせて昼過ぎには 帰ろう!」


「はい、その前に窓だけ直していいですか?」


作業長が パワーウィンドウの電源の所を

少しイジってくれて 何とか一時的に治してくれました。


「タケダさん!もう絶対 ボタン押したらアカンで!!」


「わかった、わかった!

 俺も もう極寒地獄には 行きたないわ。」


そうして、昼食を抜き 何とか昼過ぎに仕事が終わり

タケダさんと帰りの道中で

牛丼を食べ 再びダンプに乗り帰る事にしました。


「いや〜、ドリルよ。

 雨降る前に終わって良かったな。

 ほら、今 ちょうど降ってきよったわ。」


「ほんまですね!

 結構 強く降ってきましたね!

 こんだけ 雨 降ってたら仕事できませんよ。

 さすが 作業長ですね。ナイス判断ですよ。」









『ウィィーーーーン』





「…………?おい!おいっ!

 タケダ?おいっ!タケダよっ!!

 なんで窓あけてんの!?

 朝もこの下りやったよね?」



「あぁー!しまった!

 食後の一服の事しか考えてなかったわ!!」



「雨降ってきてんのにどうすんの!!」



「修行や思え!!」



「1人でしてよ!!」



「さぶいー!さぶいわー!

 全身 霜焼けなるわぁ!!

 地獄より地獄やわ。超極寒やわぁ。

 なんで こんな目に遭あわなあかんねん!」



「いや、タケダさんは 

 自分で破滅のボタン押したんやから反省してくれる?

 それ、僕のセリフやから。」


せっかく雨に濡れずに仕事が終われたのに

タケダさんは『アヴァヴァ アヴァヴァ』言いながら

仔犬のように震え 全身ビッショビショになり

戦に負けた侍のような姿で帰りました。


この話 本当度 100%

この記事を書いてる途中で気付いたんですが

駅にチャリンコ忘れてきました。

行ってきます。

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ハチロウとドリル
サポートとは?・・・データマイニングの際の、相関分析の指標のひとつで、ある関連購買における支持率を表す。たとえば砂糖について卵の関連購買でサポートが20%の場合、砂糖と卵を一緒に購入する顧客が顧客全体の20%という意味である。 要するに心から嬉しいということでです!

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