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不審者。


ドリルです。


僕が 20年近く前 工事現場で働いていた時 ちょっと ビックリしてしまった話です。


いつも僕は 大阪で働いていたのですが その日は いつもより少し遠い 奈良県まで働きにきていました。

「いやぁ、流石に奈良県まできたら 遠いですね。周りの家 全部 大きいし、オマケにめっちゃ 静かや。」


「そやなぁ、この辺は 緑が多めな閑静な住宅街やし、ガードマンさんも いつも 来てもらってる人達と違うから ちゃんと連携とって動いてもらわんと苦情きたりするから しっかりした人 来てくれてたら良いけどな。」


「そうですね。良い人きて欲しいですね!それと、全然 関係ないんですけど、ガードマンさんの制服の色 オレンジって珍しいですね!」


「確かにあんまり見ぃひんなぁ、まぁ オレンジやと目立つし ちょうど良いやろ!」


「確かに!あっ!ちょうど隊長らしき人が 挨拶しにきましたよ!」


「おはようございます!今日 ガードマンの隊長をさせて頂きます!宜しくお願いします!」

と、30代前半の爽やかな男性が挨拶をする。


「おはよぅ!元気やな!!ほな、ガードマンさんの動きは 隊長さんに任せるから休憩とかは 順番に回すようにしてくれる?今日は 何人来てるの?」


「ハイ!3人です!では、お昼休みとか順番にとらさせて頂きます!配置だけ一応確認して頂いてよろしいでしょうか!……………………」


………………………………………


……………


「………いやぁ、隊長さんは しっかりしてましたね!」


「隊長さんは?」


「そうです!『は』ですよ!後の2人見ました?1人は 19歳か20歳位で若いから 仕方ないかなって思ったけど、もう1人は 多分5〜60のオッサンなんでしょうけど ちゃんと挨拶もできてなかったですよ(笑)おまけにハゲ散らかしてたし。」


「まぁまぁ、人は見かけで判断したらあかんぞ。それにハゲ散らかしてはなかったぞ。むしろ ハゲまとまってたやんか。あんな ハゲまとまった オッチャンでも 今まで生きてきたんやから案外しっかりしてるんやで。体格もガッチリしてたし 不審者とか おったら一撃で倒してくれたりするんやで、きっと!」


「流石 ヒデさんですね!何でも知ってますやん!」


「まぁな、あのハゲまとまりに期待しようやないか!」


そんなしょうもない話をしているうちに 仕事が始まり 時間が経ち そろそろお昼ご飯に しようと みな一ヶ所に集まりだした その時、



「キャーァァ!!」


っと 突然、閑静な住宅街から女性の叫び声が 聞こえた!!


現場のすぐ近くで聞こえたので 僕達は 急いで声の聞こえた方に 走った!


声の聞こえた辺りに着くと家の前に 女性が とても怯えた様子で立ち尽くしている。


「大丈夫ですか!何があったんですか?」


と、ヒデさんが 女性に声をかけると、


「あっ、工事の方ですか?すみません。それが 私が着替えてたら 突然 男の人が そっと家に 入ってきて!それで 怖くなって思わず叫んでしまい 慌てて外に出てきたんです!」


「なるほど!それは、怖かったでしょうね。それでは、まだ、その男は 家の中にいてるんですか?何か特徴とかありました?」


「はい、慌ててたので顔などは ハッキリ覚えてませんが 着ている服は しっかり覚えてます。」


「ホンマですか!その不審者は どんな服を着てました!?」


「はい、オレンジです!」



「えっ?」


「そういえば……頭も薄かったような気がします……。」



「えっ?」


「あの〜奥さん?もしかして、見た感じ 5〜60代のオッサンで少し体格が良かったりしてませんでした?」


「そう 言われれば そんな気がします!なんで わかったんですか?」



「おい!ドリル!すぐにガードマンの隊長 呼んできて!」


やはり 家に不法侵入してきた不審者は、ハゲまとまりのオッサンでした。

ハゲまとまりの言い分は、鍵が開いていたのでトイレを借りようと勝手に家に入ったらしく 自分は 何も悪く無いと言ってました。

すぐに違うガードマンを呼んでハゲまとまりは 帰らせましたが 帰り際に、

「せっかく 交通費使って現場きたったのに! ………ふざけんな!」


と、ちょっと何言ってるか分からないことを言って帰っていきました。


「ヒデさん…………人は 見かけによらんで、って言うてましたが………………。」




「せやな………ある意味……見かけ なんか振り切ってたな…………。」


この話の本当度 90%

この後 ハゲまとまりは クビになったらしいですが本当の所は どうなったか わからないです。

もしかしたら あなたの家にも勝手にトイレを借りようと妖怪ハゲまとまりが 入って来るかもしれないので家にいる時もきちんと鍵は かけるようにしましょう!







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ハチロウとドリル
サポートとは?・・・データマイニングの際の、相関分析の指標のひとつで、ある関連購買における支持率を表す。たとえば砂糖について卵の関連購買でサポートが20%の場合、砂糖と卵を一緒に購入する顧客が顧客全体の20%という意味である。 要するに心から嬉しいということでです!