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オンエアではカットされた話。

Tokyo MXで大好評放送中の「小峠英二のなんて美だ!」。
バイきんぐの小峠さんがMCをつとめる、アートを題材にしたバラエティ番組です。
毎週さまざまなテーマに沿って平面・立体・インスタレーション、社会などアートに関するテーマを掘り下げます。

一昨年前の2023年秋にオンエアされた「紙」をテーマにした回に、切り絵アーティストHachiとしてゲスト出演させていただきました。

スタジオではHachiの切り絵作品「月夜の約束」を前に、メインMCの小峠さん・乃木坂の池田瑛紗さん・アートディレクター中谷日出さん、他のゲストの皆さんとトークを。

アートディレクター中谷さんからの有難いお言葉


また、小峠さんとぼくは同年代で、しかも20代の頃パンクバンドをしていた共通点もあり、アートと脱線して音楽の話で大盛り上がりに・・・(笑)


番組出演にあたって、小峠さんをモデルにした切り絵作品も見て頂くことができました。


パンクスの二人。ピストルズのシドをイメージした革ジャン仕様の小峠さんの切り絵
美大生でもある池田さんにも褒めて頂きました!


お笑い好きで、小峠さんのことも大好きなぼくは、おバカな話もして皆さんに笑って頂いたり。

収録時間約1時間。(しかも会話がふくらんだためコーナー一個削られました(笑))
番組は20分足らず。
当然、あんな話こんな話がカットされたわけですが、中でもとてもぼくが大事にしている、強く訴えたいお話がありました。
ちょっとヒリヒリした空気にもなったので話しながら
「ああ、これはきっと使われないだろうな」
と思いつつも、聞いてもらえさえすればいいかな、という気持ちでアートディレクター中谷さんに真剣語ったお話があります。

番組中、「作品制作の悩み」を聞かれるシーンがあり、「紙という材質を扱う大変さ」の他にこんな話をくわえて語りました。
簡潔に記載しておきます。

【オンエアではカットされた話】


Hachi「アートのジャンルにはヒエラルキーがあり、油絵の価値が最も高いのが世界の共通認識。
色彩の美しさや感完成作品の耐久性の高さから見て仕方ありませんが、単なる紙にすぎない切り絵は経年劣化もあります。
そのせいもあり、工芸品のように見られ、芸術作品としてはどうしても低く見られてしまいます。
しかし、油絵みたいに作品を長生きさせることに何の意味があるのでしょうか。
生きとし生きるものはすべて老い、形を変えていきます。
紙は数十年しか持たず、長寿の芸術作品とはなりえませんが、短命であるというそれこそがまさに『美』であるとぼくは思うのです。もっと紙のアート作品が脚光を浴び、売れる世の中になってほしい」

中谷さん「うん、言いたいことは分かります。でもHachiさんの作品は現在の世の中でもちゃんと売れます。売り方次第ですよ。その作品も何十万円の価値があり、決して高くはない」

アートディレクター、中谷日出さんとの真剣なやり取りはひりひりするような時間であり、とても有意義な話でした。
本当にありがとうございます。
これからも、世の中に振り回されず、自分の体幹をゆるがすことなく求め続けていきます。行きますとも。

嬉しかったなあ。



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