洗面まわりの計画をするときに起こること
こんにちは、ハチノです。
今回は洗面台についてお話しします。
私は、洗面はキッチンに次いで重要な水まわり設備だと思っています。
注文住宅で洗面室周辺の間取りを考えたり、
リフォームで取り替えを考えたりする場面になった時、
どのような順番で選定するとスムーズなのかについてお話しします。
1:洗面台の設置場所を考える
おそらく今これを読んでくださっている方が住まれていた家は、
浴室の横にある脱衣室の中に
洗濯機と並んで設置されていたことが多いのではないでしょうか。
最近では脱衣室と洗面台を別にして計画されている家が多くなってきています。
理由としては脱衣室と浴室は完全にプライベートな空間として扱うためです。
洗面コーナーが脱衣室を兼ねていると、
お風呂に入っているときに、洗面台で手を洗ったり歯を磨いたりするため
他の家族が脱衣室に入ってきたりしてなんだか落ち着かない
ということを回避できるようになります。
洗面室を作らず、洗面台を廊下やホールに設置するプランも増えています。
コロナ禍以降、帰宅後すぐに手を洗いたい・ドアノブを触らずに手を洗いたいなど
手洗いへの壁をなるべく取り除くような計画をされる方が増えました。
新築の場合は給排水位置の割り当て
リフォームの場合は工事の規模感が変わってくるので
設置位置は計画の中で早めに考えることをお勧めします。
2:サイズ(横幅)を考える
設置位置が決まったら次はサイズです。
大きさによってかなり間取りも変わってくるため、
ここも早めに計画された方がいいポイントです。
リフォームの場合は単なる取り替えにならさほど大変ではないですが、
大きさを変える場合は大抵間取り変更になります。
場合によっては洗濯機の位置も変更になるので、工事の規模に関わってきます。
洗面台を一人で立って使うならW750〜900以上
二人で立って支度するならW1200以上を目安にします。
最近はドレッサーのようにカウンターがあり、椅子をその下に置いて
座ってお化粧ができるタイプを好まれることもあります。
その場合は1350は欲しいところです。
(個人的には洗面室でお化粧をする場合、
夏の暑さと冬の寒さの対策も頭にとどめて置いてほしいところです)
余談かもしれませんが、
この毎朝家族のみんなが使うであろう洗面台のサイズは
大き目を選んでおくことが家族関係に地味に効いてくると
私は思っています。
洗面サイズが一人用だった場合、
誰かが支度に時間を費やすとほかの家族の朝のスケジュールに
ダイレクトにしわ寄せがきて、不満が溜まってくるからです。
3:システム洗面台にするか、造作洗面台にするか
大枠が決まってきたら、次はいよいよ本体に何を使うのか考えます。
洗面台は、水まわり設備メーカーが作っているシステム洗面と
大工さんや家具屋さんなどの職人さんに部材を組み合わせて作ってもらう
造作洗面があります。
システム洗面は機能性や清掃性に優れた工夫がされていたり、
各メーカーがしのぎを削って開発した丈夫な素材が使われていたりしています。
また、製品の安定性もあり保証面でも安心感があると言えます。
メーカー比較をしなければ、1カ所見学に行くだけで決まるので時間と手間はかかりにくいです。
ただし選択肢はある程度限られているということになります。
造作洗面は何と言ってもオリジナリティが出せるところがメリットです。
部材を一つずつ、それぞれの専門メーカーなどから選び出して組み合わせるため、
世界に一つしかない洗面台を作ることもできると思います。
ただし計画するだけでもかなり手間はかかりますので、
相応の覚悟が必要になります。
どちらが良いのかは使うご家庭の価値観によるので正解はないのですが、
それぞれにメリットとデメリットがあると思っています。
ちなみに金額的なお話でいうと、どっちも選び方によっては高額になりますし、
選び方によってはものすごく安いものにもなります。
W750サイズの取替えであれば、ホームセンターや家電店のリフォームコーナーで数万円の値段でできるものも見たことがありますし、
W1650程度の大きな洗面台であれば100万円ほどの見積もり金額になった洗面台も知っています。
4:部材を選ぶ
キッチンほどではないにしても、洗面台もかなり選ぶ部材の多い設備です。
・鏡
三面鏡などのミラー面の後ろに収納があるものですと、細々したものをしまうことができます。
洗面周りは割とものが散らかりやすいので、ミラー周辺の収納は強い味方だと思っています。
奥行きのないタイプの1面鏡は収納はできませんが、
その分モノを減らすことができますし、部屋が広く見える効果もあります。
フレーム付ミラーなどオシャレ感のあるものを使った造作洗面もよく見かけます。
そうなると、雑貨店やフレーム屋さんなどでミラーを探すことになります。
・洗面ボウル
システム洗面台の場合はボウルの形はだいたい決まっていて選べないことが多いです。選べたとしてもそんなに数は多くありません。
造作洗面の場合は部材メーカーのラインナップから選びます。
焼き物や陶器なども含めると選択肢が幅広く、
こだわればこだわるほど選択肢が増えて行く部分になります。
また、ボウルとともにカウンターも選ぶことになります。
・蛇口
こちらも解像度を上げて行くと選択肢が多くなります。
機能的な部分でいうと
手動水栓にするのか自動水栓にするのか
ホースが伸びるタイプにするかどうか
シャワーとストレートの切り替えは必要なのか
デザインはどんなものがいいのか
システム洗面台の場合は種類はそこまで多くありません。
メーカーがあらかじめ数種類に絞っていますので、
割とあっさり決めることになると思います。
造作洗面の場合は沼のような世界が広がっており、
奥の深さを感じます 笑
・キャビネット(収納・色と材質)
こちらもシステム洗面台の場合はある程度決まったものの中から選ぶことが多いです。
オーダーが出来るシリーズを選んだ場合は引き出しの数やサイズを
メーカーの方が提案してくださると思うので、
それに意見を伝えて形にしていきます。
造作洗面台の場合は職人さん次第でできることが決まってくるので、
入れたいものや使い方に希望がある場合は早めにに設計さんに伝えられると
実現可能かどうか、どうやって叶えるのか、回答がもらえると思います。
表面材の質感や色の選定も造作の場合は先にイメージを設計担当の方と共有しておくことが重要です。
何しろ無限に部材がある中からの選定になりますので、
知識のある方にある程度イメージに近いものを絞っていただいたほうが
選びやすいです。
5:照明・コンセント
これも使い勝手に関わる大事なポイントです。
選んだ鏡に照明がついていなかった場合は顔を照らせる照明が必要になります。
ブラケット照明をつけたり、ダウンライトをつけたりします。
ドライヤーやコテなどを使うためのコンセントも必須ですが、
こちらも鏡についていない場合は周辺の壁に計画しなければいけません。
私はお客様から「ドライヤーのコンセントを毎回抜きたくない。
コンセントを挿したまま収納できるようにしたい」というご要望を
もらったことがあります。
電気シェーバーなどを充電するためのコンセントも必要です。
システム洗面台で3面鏡などのミラー面裏に収納があるタイプを選ばれていると、
収納部分に充電用コンセントが格納されているタイプもあります。
リフォームの場合はどこまで配線が可能かという問題にもなるため、
使い方のイメージを先に設計担当さんに伝えられるように
イメージされておくことをお勧めします。
終わりに
他にも、いざ工事となると
壁面にタイルを貼ったり水に強い壁紙を選んだり
床の材料を選んだり
タオルや家族分の細々した化粧品やアクセサリーの収納を考えたりと、
まだまだ洗面周りは計画できる要素があります。
長くなりましたが、洗面一つとってもこれだけ選択肢があるということが
お分りいただければ幸いです。
本当に家作りって大変ですよね。
日々家作りのお手伝いをしていて、その局面になる前に知識があれば
もっと気持ちよくいい選択をしていただけるんじゃないかなと思うことが
あります。
こちらもぜひ参考にしていただければと思います。
どなたかの参考になれば幸いです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。