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絵本紹介『アナトールとねこ』── (猫絵本紹介 第三弾)
初めましての方も、
以前の記事を読んでくださった方も、
おはようございます。
数ある記事の中から、
お越しくださりありがとうございます!
水曜日のテーマは『本・絵本』。
3週にわたり、猫が登場する絵本を紹介しています。
前回までの記事はこちら。
今週はネズミが主役の1冊です。
猫は脅威として描かれますが、
お話が魅力的で、ぜひ紹介したいと思いました。
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アナトールとねこ
作: イブ・タイタス
絵: ポール・ガルドン
訳: 石津 ちひろ
出版社: 好学社
『ビアンカの大冒険』や
『14匹シリーズ』がお好きな方、
パリのおしゃれな雰囲気が好きな方は、
ぜひ最後までお付き合いください。
(内容紹介)
ねずみのアナトールは、
人間の残りものを集めてコソコソ生きるのではなく、
チーズ工場の味見係として働いていることに
誇りを持っていました。
でもある日、
社長の飼っている猫が工場に現れ、
恐ろしさできちんと仕事が
できなくなってしまいます。
アナトールは悩みますが、
素晴らしい知恵と勇気でピンチを乗り越えます。
『ねずみのとうさん アナトール』(童話館出版)
のつづきの話。
主役のアナトールは、
人間顔負けでチーズの味見係として働いている
スーパーネズミ。
ネズミであることを隠しています。
人間とは勤務時間を分け(夜勤)、接触はせず、
手紙の書置きという形で、
社長のデュバルさんとやり取りしています。
このチーズ工場は、
アナトールのアドバイスのおかげで
味を改良して、パリ一番の工場になったのですが、
猫におびえたせいでそのアドバイスがめちゃくちゃに。
『かびの生えたマシュマロを加えなさい』
『バナナの皮でチーズを包む』などなど。
混乱っぷりがわかります。
アナトールが味見をしているチーズは
本当にどれもおいしそう。
パリのマルシェにすぐに行くことはできないですが、
スーパーのチーズ売り場なら、
思い立ったらすぐ行けるぞ、
と考えてしまいます。
色はフランス国旗のトリコロール3色のみ
が使用されていて、こちらもおしゃれ。
(それでもチーズが美味しそうってすごい。)
てっきり作者のイヴ・タイタスさんは
フランスの方かと思ったら、
ニューヨーク生まれのアメリカの方でした。
肝心の猫は、ぎょろりとした目で
アナトールに出し抜かれたりしてしまうので、
なんというか、アメリカで描かれる猫
(トムとジェリー)を思い出します。
このあたりに作者の出身地のエッセンスが
にじんでいるのかもしれません。
ちょっとアナトールが賢すぎますが、
等身大の働く姿や、家族との会話に、
大人が読んでも感情移入ができる絵本です。
翻訳は、『ねこがすっぽり』でもご紹介した
石津ちひろさん。
小気味よくも、子どもっぽくなりすぎず、
奥深さを感じる文章は、想像力が刺激されます。
文章量はやや多めなので、
読書の楽しみを知り始めたお子さんに
ぜひおすすめしたい1冊です。
公式サイト(好学社)はこちら。
同じくアナトールのシリーズで
去年の7月出版された、
『アナトール パリの空をとぶ』
もおすすめです。
タイトルの通り、アナトールが空を飛んじゃいます。
しかも家族一緒に、凧で。
なかなかにスリリングなお話ですが、
セーヌ川やエッフェル塔のパリの風景が
楽しめて、冒険・旅好きにはこちらが
より楽しめるかもしれません。
最後までお読みいただき、
ありがとうございました!
そして、実は今年の目標の1つに
絵本のレビューを50本があるのですが、
1年って52週くらいということに気が付き、
どうしようかなと思っています。
(書き溜めで達成にするかもしれません。)
昨年読んだ絵本の一覧は、
以下の記事で紹介しています。
絵本探したいときのご参考にも、
ぜひご活用ください。
明日の記事にも、ぜひいらしてくださいね。お待ちしています!
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