Honk If You’re Lonely
南の方向に進む列車に乗っている。理由はわからないが、列車は左側のドアを全て開けて停止している。ケータイに夢中になっていたおれはいつから列車が停止していたかはわからない。今、気持ちのいい風を受け、顔を上げた時に初めて列車の停止に気づいた。まばらに居る他の乗客は皆んな下を向いていて気づいていない。気持ちのいい風は知らない名前の駅から吹き込んでいる。そこでは雨が降っている。気温は低いが、雨で湿気ているので寒さは感じない。気温と湿度のバランスが良いことで吹く風が気持ち良い、と体感する