今さら?これから?生成AIコンテンツはこれから!まだまだチャンス!
「生成AIにはまだまだチャンスがたくさんある」という話をしたいと思います。
私はこの1年半ほど、AIに関する情報発信をしてきました。最近では、生成AIを使って副業をしたり、ビジネスを展開したり、情報発信をしている人がたくさん出てきています。そのため、生成AI関連の市場が飽和してしまっているのではないかと思っていました。
しかし、どうやらそうではないようです。まだまだ大きなチャンスがあるみたいですね。これから、AIで何かにチャレンジしてみたいと思っている方には、かなり興味深い話になると思います。
日本の生成AI利用率の低さ
日本という国を見ると、少し残念な気持ちになるような状況にあります。
その理由として、最近話題になっているXのポストがあります。そこには、生成AIの利用率を世界各国と比較したデータが掲載されていました。驚くことに、日本の生成AI利用率はわずか0.9%でした。残りの99.1%は、生成AIを使おうか迷っているか、まだ使ったことがないような人たちのようです。
対照的に、アメリカは46%、中国は56.6%、ドイツですら34%、イギリスは39%と、日本だけが極端に低い数字になっています。
この結果を見て、私はかなりショックを受けました。私の周りでは、生成AIを使って業務を効率化したり、プライベートで活用したり、副業に利用している人が結構たくさんいるので、日本でもかなり生成AIが浸透していると勝手に思い込んでいたんです。
確かに、私の妻や地元の友人たちは、生成AIのことを全く気にしていないような感じです。SNSやYouTube上では盛り上がっているAIの話題も、その外の世界では全然普及していないんだなと、このデータを見て改めて実感しました。
ただ、見方を変えれば、これはまだまだチャンスがあるということでもあります。
利用方法別の統計
このデータの詳細を調べてみると、興味深い情報がありました。この調査は、インターネットを利用して1月から2月にかけて行われたものです。年代別に20代から60代まで、男女それぞれ100名ずつ、合計約1,030人を対象にしたアンケート結果だそうです。
1,000人以上にインタビューして、99.1%もの人が生成AIを利用したことがないという結果は、本当に驚きですね。私は1,000人もいれば、少なくとも30%くらいは使っているんじゃないかと予想していましたから。
一方で、他の国々については約50名ずつインターネットで調査したようです。調査人数に2倍ほどの開きがあるので、ある程度偏った結果になっている可能性はありますが、それでもこの数字の差は大きすぎます。やはり日本は少し遅れているのかもしれませんね。
このデータは総務省の2024年情報通信白書に記載されていた内容を、AIツールのClaudeを使って数字だけ抽出し、新しくグラフにしたものだそうです。この白書には、利用方法別のアンケート結果も載っていたので、そこで気になった部分もいくつかお話ししたいと思います。
まず、コンテンツの要約についてです。ChatGPTやClaudeなどを使って文章をコピペしたり、URLを添付して文章を要約する機能があるんですが、これを使ったことがある人はわずか5.9%でした。他の人は今後使ってみようと思っているか、使ったことがない、あるいは検討中といった感じでした。
個人的には、コンテンツの要約機能はかなり便利だと思っているので、この数字の低さには驚きました。同じく、旅行の計画やイベントの企画に使ったことがある人も5.9%でした。これも結構便利な使い方だと思っていたんですが、意外と少ないんですね。
最も多かったのは「調べ物をする」という用途で、8.3%でした。ChatGPTで調べ物をするというのはちょっと考えづらいんですが、GoogleのGeminiやMicrosoft Copilotなどを使って調べ物をするのはありかもしれません。
ただ、生成AI利用でChatGPTをベースにして調べ物をするのが最も多いという結果は、少し疑問です。ChatGPTは幻覚(誤った情報を生成すること)が多いので、調べ物にはウェブ検索が標準で付いているGeminiやCopilot、あるいはPerplexityのようなAIツールの方が正確な情報が得られやすいと思います。
反対に、利用率が低かったものもいくつかありました。例えば、「画像や動画を生成する」が2.2%、「対話型AIと会話する」が3.5%でした。AIと会話するのは、暇つぶし程度の使い方かもしれませんね。
また、「自分の好みの提案を受ける」というのは1.9%でした。これは例えば、自分の趣味を伝えて洋服の提案を受けたり、遊び場やアミューズメント施設の提案を受けたりするような使い方ですね。
「病気や健康に関するアドバイス」は2.8%でした。これは低いままの方がいいかもしれません。医療や健康に関しては専門家に相談するべきですからね。
「制作への改善点やアドバイス」が2.9%でした。これにはプログラミングも含まれているんですが、この数字の低さにはちょっと驚きました。私が生成AIを使っていて特に便利だと感じる場面は、文章の要約とプログラミングのソースコードへのアドバイスなんですが、どちらもあまり使われていないようです。
さらに興味深い調査結果もありました。日本の生成AI利用率が低い理由について、いくつかの推測ができそうです。
著作権侵害への懸念
まず、「著作権等の権利を侵害する可能性が拡大する」と考えている人が20%、「どちらかというとそう思う」という人が49%いました。つまり、半数以上の人が、なんとなく著作権の問題を気にしているようです。これが、日本でAIの導入や利用にあまり前向きではない理由の一つかもしれません。
面白いのは、この傾向が世界的にも似たような状況だということです。むしろ、アメリカの方が日本よりも著作権に関する懸念が強いくらいです。中国も同様で、ドイツは日本とほぼ同じくらいでした。
また、「生成AIに倫理上不適切な内容や偏見が含まれる可能性が拡大する」と考えている人も、日本では約60%いました。これについても、海外の方が日本より懸念が強い傾向にありました。
海外との意識の違い
つまり、リスクに関する認識は日本も海外もそれほど変わらないんです。でも、ポジティブな見方については大きな差があるんです。
例えば、「新しいアイデアや新たなイノベーションが生まれると思いますか」という質問に対して、日本では「はい」と答えた人が半数以上いました。一方、アメリカではその約2倍の人が「はい」と答えています。
つまり、リスクは認識しつつも、ポジティブな面もしっかり捉えているという特徴が海外にはあるようです。
「業務効率化や人員不足の解消につながる」という項目も同様で、アメリカと中国では70%以上が「はい」と答えているのに対し、日本では「はい」が22%、「どちらかというとそう思う」が50%程度でした。
この結果を見て、面白いなと思いました。日本人は、こういったアンケートで「はい」とはっきり答えることを避ける傾向があるのかもしれません。一方で、アメリカや中国の人はとりあえず「はい」と答えやすいのかもしれません。
ただ、それを考慮しても数値の開きが大きすぎるので、日本と海外では生成AIに対する期待感にかなりの差があるんだなと感じました。
ここまでの生成AI利用率のデータを見て、私は冒頭で話した「生成AIにはまだまだチャンスがある」という考えを強くしました。皆さんもなんとなくそう思っていただけたんじゃないでしょうか。
世界の生成AI市場規模
では、具体的にどんなチャンスがあるのか、世界の生成AI市場規模の予測を見てみましょう。2024年現在は13億ドルですが、今後指数関数的に成長し、約5年後には72億ドル、10年後には約33倍の429億ドルまで拡大すると予測されています。
もちろん、これはあくまで予測に過ぎません。でも、私自身の情報発信や周りの仲間たちの話を聞いていると、徐々に生成AIを取り入れようと考える人が増えてきている感覚はあります。
今年はAppleのスマートフォンやパソコンに生成AIが組み込まれる可能性も出てきています。そうなれば、生成AI市場はさらに拡大していくでしょう。
このことから、冒頭で話した「生成AIの情報発信者が増えている」「AIビジネスをやっている人も増えてきている」「もう市場は飽和しているんじゃないか」という考えは、完全な見当違いだったようです。
去年や今年の生成AIの盛り上がりは、まだ始まりに過ぎないのかもしれません。これからもっと生成AIは盛り上がっていく可能性が高いと思います。
では、具体的にどういったところにチャンスがあるのか、私なりに考えてみました。
まず、先ほどの調査で「業務効率化や人員不足の解消につながる」と思わない人が約25%いました。今後10年で市場が33倍に膨れ上がるとすると、この25%の人たちに「生成AIは業務効率化や人員不足の解消につながる」と思ってもらうための、AIの研修やコンサルティング、教材などの需要が高まるでしょう。
AIの市場は今後10年間で33倍になると予測されているので、いずれは生成AIに目を向けざるを得ない状況が来ると思います。そこで、「何が役に立つのかよく理解できない」「不安だ」と思っている人たちに向けたAI研修などが、どんどん増えていくと予想されます。今もそういったサービスは多いですが、さらに需要が高まるでしょう。
また、「新しいアイデアや新たなイノベーションが生まれる」と思っている人が約20%、「どちらかというとそう思う」という人が50%くらいいます。この母数も10年間で33倍になれば、かなりの数になりますよね。そうすれば、より多くのアイデアやイノベーションが生まれてくるはずです。
ビジネスチャンスの領域
どこで何が生まれるかは予測できませんが、AIを使った新たなイノベーションの開発にも大きな需要があると思います。
さらに、先ほど紹介した利用方法別の割合を見ると、AIの便利な使い方をまだ理解していない人が大多数だと思われます。この調査では、すべての利用方法が10%未満でした。
ここに対して、副業でもなんでもいいのですが、AIの活用方法のコーチングやアドバイザー、AIの顧問、あるいは私のようなYouTubeでの情報発信なども、まだまだ需要があると思います。
AIの便利な使い方を1つ1つ紹介するだけでも、YouTubeの動画なら十分に再生数を稼げると思います。もちろん、初心者向けに発信する必要はありますが、「どう使えば良いかわからない」と思っている人が大多数なので、そこに向けて何かを作り出すのは、まだまだチャンスがあると感じました。
おすすめの生成AIツール
最後に、今生成AIを使うなら何を使うべきなのか、簡単に紹介させていただきます。
まず1つ目は、やはりChatGPTです。生成AIに関するアンケートは大体ChatGPTをベースにしていることが多いので、ChatGPTは必須だと言えます。多くのAI研修でも、基本はChatGPTをベースに話をしていることが多いですし、AIを導入したい場合も、ChatGPTやOpenAIのAPIを使ってカスタマイズされたチャットボットを作るというパターンが多いです。なので、ChatGPTは必須中の必須ですね。
ただ、個人的におすすめしたいのが、Claudeというツールです。日本語の精度がとても高く、文章が上手なんです。使っていてとても気持ちが良く、返ってくる文章が分かりやすくて使いやすいので、非常におすすめです。他にも細かい機能があって、例えばリアルタイムで図形を作ってくれたり、ウェブサイトを作ってくれたりする機能があります。これらの機能も非常に便利なので、何かの業務を効率化するために使いたい場合は、このClaudeも非常におすすめです。
そしてもう1つ、似たようなサービスでGoogleのGeminiというのもあります。これは調べ物をする時に使うAIツールだと思ってもらえばいいでしょう。Google検索が裏側についていて、自然な言葉やテキストを入力すると、その質問に対する回答をインターネットを検索して持ってきてくれます。なので、情報の正確性という点では、このGoogle Geminiが一番高いんじゃないかなと思います。
基本的に、この3つ、ChatGPT、Claude、Google Geminiを使っていれば、今の生成AIの大枠は理解できると思います。
その他にも、クリエイティブ系のAIツールがたくさんあります。例えば、Runway社のGen-3という動画生成AI。テキストを入力するだけで動画を生成してくれます。また、MidjourneyやDALL-Eのような画像生成AIもあります。これもテキストを入力するだけで、リアルな画像を生成することができます。Stable Diffusionも非常に有名な画像生成サービスですね。
そして、YouTubeやSNSで話題になったSuno AIは、音楽を生成してくれるサービスです。
これらのクリエイティブ系AIツールを触ってみると、AIがどんなものかをより深く理解できると思います。ただ、AI系のツールは基本的に有料なので、これら全部を触ってみるのは難しいかもしれません。
基本的には、ChatGPTは絶対に使ってみて、できればClaudeとGeminiも使ってみると良いでしょう。
生成AIにはまだまだチャンスがあると思いますので、今日からでも明日からでも、副業なら何かしらのプラットフォームに登録してみるとか、事業アイデアがある方はすぐにでも企画書をまとめてみるとかしてみるといいかもしれません。来年、再来年あたりでまた爆発的に広がるかもしれないので、私も含めて、このチャンスを逃さないようにしていきたいですね。