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いいもの


今となっては疑いの目を向けられるかもしれないが、かつてわたしは結構活動的な人間だった。そしてその「かつてのわたし」にとって、コロナ禍初期の二〇二〇年ほど過酷な時期もなかったと思う。だって、外に出るだけで怪訝な目をされてしまうのだ。

それでいて当時妹と二人暮らしをしていた2DKの家は、当時のアクティブな自分にはあまりに狭すぎた。なので、旅行は憚られるが自宅の近辺ならある程度自由に歩くことが許されるような風潮が出てきた頃、わたしは家から数駅のところにある、少し良いホテルに一人で泊まることにした。

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