見出し画像

ぷらんたんという場所

久しぶりに訪れたそのお店は、おおきく様変わりしていた。

一階スペースの大きな机は縦向きに置かれ、その両側に木で作られた椅子が並べてあった。さながら、森の中の会議室のようだ。クラファンの作戦会議をしやすいように、レイアウトを変えたらしい。

かつては全席喫煙可だった店内スペース。二階でのみ、煙草が吸えるようになっていた。
「非喫煙者のお客さんが一階に来るから、自分たちの新聞読んだりするスペースがなくなっちゃったの」とマスターは笑う。

お店の隅っこでコッソリ見せてもらった新聞には、クラファンを達成したことと、ネクストゴールを目指していることが書かれていた。
取材は全部、マスター夫妻と、我らが大隈塾の後輩たちが受けているらしい。

何だか小綺麗になった、懐かしい店。他のお客さんの中に、見知った顔はもはや一人もいない。学生が二階からビールを落として天井にぽっかりあけた穴も、夏の工事で塞いでしまうらしい。

けれど、おかわりコーヒーは相変わらず150円だ。コーヒーポットを片手に「追加お願いします」と、学生さんが二階から降りてくる風景も、3年前と同じように目の前で再生される。オリジナルブレンドは相変わらず、こっくりとした、深い深い味だった。

「前よりも、早稲田に活気が戻ってきてます。ぷらんたん目当てで来たお客さんが、きっと他の早稲田のお店にも行ってると思いますよ」と、夫妻に伝えた。

「自分たちのお店だけじゃなく、他のお店のためにもなっているなら、それが一番嬉しい。ありがとう」と、その日一番の笑顔で返してくださった。

昔から変わらぬもの。
マスターご夫妻の優しさも、その一つだった。


クラファン終了まであと1週間と少し!

みなさま、ご支援を何卒よろしくお願いします…!


読んでくださりありがとうございます!いただいたサポートは、わたしの心や言葉を形作るものたちのために、ありがたく使わせていただきます。 スキを押すと、イチオシの喫茶店情報が出てくるかも。