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「誰にも迷惑のかからない領域」2024年11月22日の日記

「毎日noteを書く」と思うと気が乗らないが「毎日日記を書く」と考えたらちょっとやってやろうか、という気持ちになるのは、多分元来性格が内向きな人間だからなんだと思う。そしてそれをあえてnoteに書くのは、へそ曲がりであることを外に出せるくらいにはまだ引き返す余地のあるへそ曲がりだからなんだろう。

そういうわけで、日記を書こうと思った。外に出すことを意識しすぎると自分の凝り性な部分が変な仕事をして何時間もかけてしまいかねないので、15分で書き上げると決めた。あと、タイトルの付け方はダ・ヴィンチ・恐山さんに倣わせていただいた。

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そもそも今日日記を書いてもいいかという気持ちになったのは、良い体験をしたからだ。だいたい日記を書こうと思うときは、良い体験をしたか、もしくは踏んだり蹴ったりな体験をしたかのいずれかだと相場が決まっている。今回は前者だった。好きなアーティストのコンサートがあったのだ。

とはいえ昼過ぎまでは会社の仕事をし、それから役所や警察署をハシゴして、身分証明書などの類を更新した。他者に迷惑がかかりそうなものを先んじて進めると、だいたい一番最後に残るのがこうした自分の事務周りになる。

しかし最近わたしの人生を他人事でなく案じてくれる人が増えてきて、ついにはパートナーや友人たちが「免許証更新した?」だとか「家の掃除は順調?」とか聞いてくれるようになってきた。免許更新や掃除をしなくても心配してくれる人がいるのだとしたら、いよいよ「誰にも迷惑のかからない領域」なるものは存在しなくなってきているのかもしれない。

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思ったより早く身分証明書の更新が終わったので、少しだけ会社の仕事をし、それから上野の東京文化会館へ。二年前くらいに知った、Kitriというカバーデュオのコンサートが目的。思っていた以上に老若男女さまざまなお客さんがいて驚く。もっと我々世代が多いと思っていた。

全部で多分十数曲をやったと思う。中でもMrs. GREEN APPLEの『僕のこと』のカバーがとんでもなく良かった。感情が追いつく前に涙が出る、という体験を久々にした。両親と同じ世代と思われるような人たちも静かに目頭を押さえていた。

自分の世代の曲とばかり思っていたものの良さを、石造りの静謐な小ホールで共有できたということに、唯一無二性のようなものを感じた。

アンコールを終えてホール外のロビーに出ると、CD購入者向けのサイン会をやっているようでお客さんたちが長蛇の列をなしていた。全てSpotifyで聴けるから、と思って代わりにライブグッズのTシャツを購入する。可愛かったから。でも、嬉しそうにCDを持って並ぶ人たちを見て、少しだけ「いいな〜」と思った。

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佑梨
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