スイス農業研修~馬の世話~

こんばんは、はちです。


今日はスイス農業研修のときに私が主に任されていた馬たちの世話について書いていきます。


私が配属された農場には馬が11頭いました。

この馬たちにはそれぞれ馬主さんがいるのですが、家で飼えないので代わりに農場で管理しているという形でした。なので、平日の仕事終わりや休日などは馬主さんたちがやってきて農場の周りを乗馬したり、ブラッシングしたり、馬術の練習(ハードルや障害物)をしたりしている人もいました。

私は朝夕二回の餌やりと馬小屋の掃除に加え、週一回の乗馬場の整備、夏場は牧草地へ放牧するので朝連れていって夕方連れて帰るなどの仕事をしました。

馬1頭ずつ餌の量が違っていたので、それぞれの馬に合わせた餌をやっていました。馬小屋にはChefinが作ってくれたそれぞれの馬の写真と餌の量が記された紙が貼ってあり、それを見ながら間違えないように気を付けました。

トウモロコシや穀物などの配合飼料と藁、発酵させた干草を餌として与えていました。


それまで馬の世話などしたことなかったので(ペットとかも飼ったことなかった)、最初は少し怖かったのですが、

「怖がっていたら馬たちもストレスが溜まるよ」

と教えてもらったので、声をかけたり顔を触ったりしてだんだんと慣れることができました。

私が馬小屋へ行くと餌をもらえる!と思った馬たちが寄ってくるのがすごく可愛かったです。


大変だったのは夏場、牧草地から馬小屋へ連れて帰ることでした。馬たちは広い牧草地で美味しい草を食べているので、私が呼んでもなかなか帰ってこようとしません。

私が必死なのをみかねて、馬主さんの一人が

「はちは体が小さいからね、手を大きく振って体を大きくしてみたらいいよ!」

とアドバイスをくれたりしました。(私の身長は150cmです)


あと、Chefinから

「馬は2頭以上になったら群れのなかにボスが生まれる。ボスが動いたら他の馬たちも動くからボスに合図を送りなさい」

とも教えてもらいました。

牧草地は区切られており、11頭の馬が4つのグループに分けられていたので、それぞれのボスに手を大きく振りながら合図を根気強く送ることで小屋まで連れて帰ることができました。

もう一つ、大変だった思い出は冬、寒波の影響で-20℃くらいになったときに馬小屋の自動給水器が凍って壊れた時のことです。いつもならその給水器で馬たちが自由に水を飲めるのですが、水が出ないのでバケツに水を汲んで馬小屋に持っていかないといけない事態になりました。

農場にはいくつか馬小屋があり、給水器が壊れたのは3頭が暮らす馬小屋(そこでは1頭ずつ区切られた小屋に住んでいました)。一番近い水道から片道約300メートル(行きは登り坂)。水を汲んだバケツを両手に持って、凍った道を慎重に歩いていく。

「これは修行や…」

そう言い聞かせ、何往復もしました。せっかく運んだと思ったら気性の荒い馬にバケツをひっくり返されたりして

「嘘やろ!!」と叫んでしまったり。

農場主にいつ給水器直るか聞いたら

「暖かくなったら水も出てくるよ」

と言われ、これは直す気はないやつだ…と絶望したりしました。

そんな修行のような期間は一週間程続いたと記憶しています。お陰で腕に筋肉がつきました。


一頭一頭性格も違う馬たちと過ごしていろんな思い出ができました。一年間、毎日馬たちと過ごしてきたので、お別れのときはやっぱり寂しかったです。

今でも馬を見ると、「あ、この馬は○○に似てるな~」とか思い出してしまいます。


馬の鼻の下、やわらかかったなー。

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