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読書の秋、本番
日中は汗ばむこともあるが、もう10月も半ば。秋真っ只中だ。
このところお菓子缶や純喫茶など食欲の秋にまつわる記事が多かったので、今回は読書の秋ということで本の紹介記事。
先日、広島パルコの「BOOK PARK CLUB」という本のイベントに行ってきた。
このイベントは全国の個性的な中小規模の出版社と県内外の独立書店から個性溢れる素敵な本を集めた、広島発全国初のイベントだ。
もう内容を聞いただけでワクワクするし、実際に最高のイベントだった。イベントに集まった本はどれも個性的でなかなか通常の書店ではお目にかかれないような本ばかりだった。すごく雑な説明になってしまうけれど、ヴィレッジヴァンガードに置いてある本のセレクトに近しいものを感じた。ニッチで、個性的で、置いてあるだけで絵になるフォトジェニックな本だったり、思わず手に取ってしまうような興味深いタイトルだったり。見たことのない本がほとんどで、たくさんの素敵な本と出会えた。
その中で一目惚れして購入に至ったのがこの本。「My First Lizzi マイ・ファースト・リチ 上野リチのデザイン」だ。
まず装丁が素敵だ。私はこの本を手に取るまで上野リチというデザイナーを知らなかったが、一目でこの表紙に惹かれて手に取った。
そして本の帯のこの文章を読んで、上野リチとはどんな人なんだろうと好奇心がかき立てられた。
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19世紀末のウィーンに生まれ、京都へやってきて、独創的であることを生涯にわたり大切にした上野リチ。上野という名字から察すると日本人と結婚したのだろうか。なんだかこの情報だけで映画が一本できそうだ。朝ドラヒロイン感がハンパない。
そう思いながらページをめくると、上野リチというデザイナーの世界観にあっという間に惹き込まれてしまった。そこにあったのは色鮮やかでファンタジックでありながら、写実的で洗練された彼女の作品の数々だった。
上野リチはテキスタイルや壁紙、七宝焼やアクセサリーなどを手掛けたデザイナーなのだが、この本にはその作品たちや彼女の生涯やポリシーなどが詳細に記載されている。本の帯に「待望の入門書」という謳い文句があったが、初めて上野リチというデザイナーを知った人でもあっという間に彼女のファンになってしまうような充実した内容だ。
私が一目惚れした表紙ももちろん上野リチのデザインだ。そして裏表紙も素敵なのだ。
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カバーも普通の紙ではなくて、壁紙のようなリッチな質感だ。タイトルの文字もエンボス加工されていて凝っている。もうこの本そのものが上野リチの作品そのもののようだ。
そんな素敵な本を作った出版社は株式会社青幻舎。他にも気になる本をたくさん出版している。ちなみにずっと気になっていたこの2冊も株式会社青幻舎の発行だった。
記事冒頭で書いたイベント、「BOOK PARK CLUB」は広島パルコで10月24日(月)まで開催している。読書の秋、個性的な本に出会いたい方はぜひ。
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