【短編小説】壁
壁を作っています
壁を…
早急に…
作っています
今までの壁は見かけは固くても
中身は スカスカ
スポンジのようだった…
だから すぐ吸収し
衝撃に耐えられず崩れてしまう
最初から気を許したわけではない
ちゃんと壁を作って
距離をとっていたつもりだった
でも ″つもり ″だったんだ
「この人なら大丈夫だろう」 と思うと
その途端、壁はスポンジ化してしまう
人見知りで寂しがり屋
ややこしい矛盾してる性格ゆえ
このような現象が起きる
その度に、心が傷つけられ
抉(えぐ)られる
やめりゃいいのに
近づいてしまうから
やめりゃいいのに
心 許してしまうから
強固な壁を作ろう
中身も ぎっしり詰まった壁を…