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【不問サシ劇】煙突掃除屋 ~心の燻り掃除します~

[人物紹介]

・ボク : (性別不問)
中学~高校生
思春期真っ只中
孤立している悩める男子
※女性が演じる場合でも男子として演じていただきたいです

・掃除屋 :(性別不問)
謎めいた得体の知れない人物
男性なのか女性なのかもわからないような変わった喋り口調をしている
自称 煙突掃除屋
━━━━━━━━━━━━━━
ボク:
孤独を耐えれば 答えがでるのか…

掃除屋:
「キミ 燻(くすぶ)っているようだけど大丈夫かい?」

ボク:
「えっ!?ボクですか!?」

掃除屋:
「キミに話しかけてるんだよ」

ボク:
「声に出して言ってたのかな…」

掃除屋:
「ああ、ごめんごめん
キミが声に出してたわけじゃない
アチキには、燻(くすぶ)ってる声にならない声が聞こえちまうのさっ」

ボク:
「アナタは何者なんですか?
占い師さんか何かですか?」

掃除屋:
「ああ、アチキかい?アチキは煙突掃除屋さっ」

ボク:
「えっ…煙突?!」

掃除屋:
「そっ!!煙突掃除屋
でもキミが思い描いてるような家の煙突のことじゃない」

ボク:
「家のじゃないなら 何のことを煙突って言ってるんですか?」

掃除屋:
「アチキが言う煙突ってのは
人間の心のことさねっ」

ボク:
「心の…じゃあ お医者さんなんですか!?」

掃除屋:
「うーん💦医者とは違うかなぁ
アチキが 行うことは医療じゃないのさっ」

ボク:
「お医者さんじゃないんだ…じゃあボクのことは治せないのか…」

掃除屋:
「いいや 直せる
アチキは煙突掃除のプロだからね」

ボク:
「えっ!?治せるんですか!?」

掃除屋:
「ああ、直せる
ただし すべてキミしだいだけど」

ボク:
「ボクしだい…どうしたら…いいんですか!?…
あれ?…なんだか…瞼(まぶた)が重くなってきた…」

掃除屋:
「アチキの体臭は眠りを誘うのさっ
どーれっ 見てみようかねぇ」

ボク:
ボクは居ないものとして扱われている存在
空気のような存在…

掃除屋:
「あーあ こりゃぁずいぶん心が灰や煤(すす)で汚れっちまってるねぇ」

ボク:
この孤独に耐えたら明るい未来が待っているのだろうか…

掃除屋:
「黒い感情が詰まって固まってら〜」

ボク:
ねぇ…
その答えを誰が教えてくれるの?

掃除屋:
「ほら、吐き出しちまいなっ」

ボク:
誰が答え合わせしてくれるんだよっ
教えてよっ!教えてくれよっ!

掃除屋:
「それじゃねーだろ!?キミの本心はよっ!
ちゃんと出さなきゃ 直んねーぞっ!」

ボク:
「ねぇ 誰かっ…ボクに気づいてくれよっ…
寂しいよっ!孤独なんて嫌だっ!」

掃除屋:
「よしっ詰まりが取れたっ!
ここまできたら もうひと息
綺麗にしたるわっ」

┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈

掃除屋:
「よう頑張ったなっ
キミは、なかなかに強い心を持ってる」

ボク:
気がつくとボクは公園のベンチに腰かけていた
どうやら寝てしまっていたようだ

「ボク…泣いてた?」

頬(ほほ)に涙が伝う
心なしか 心のモヤモヤが少し晴れたような気がする

掃除屋:
「吐き出せばいいさねっ
恐れず 気持ちを感情を出せばいい!!
孤独を作っていたのはキミ自身なんだよ」

ボク:
煙突掃除屋と名乗る人の姿は どこにもなかった
あの人の言葉はボクの心に いつまでも響いていた

きっとボクの未来は明るい!
そんな気がした

[完]

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