見出し画像

【短編小説】高野のガンマン

乾物(かんぶつ)コーナーに
ずらっと並ぶ『高野豆腐』

俺は、その中から
選(よ)りすぐりを探す


高野豆腐にかけては
かなりの目利きだと自負している

選ぶ姿は 真剣そのもの

「狙った獲物は逃さないぜっ!!」

鋭い目つき と 強い意志

指さし確認で 品定め

孤独に黙々と探す俺は

まるで 草は おろか

花も木も生えない

荒れた茶色だらけの大地に

解き放たれたガンマン


スーパーの店員たちは俺のことを
" 高野のガンマン "と呼んだ

俺が現れると
「ねえ、来たよっ高野のガンマンw」 と
ヒソヒソ声で話すのだ

まあ 噂するのも わかる…
   煙たがられるのも わかる…

ひっそりとしている乾物コーナーに
まっすぐ向かい
最低30分は滞在(たいざい)するからなぁ


「決めたっ!!」


店員たちの冷ややかな視線を
もろともせず

意気揚々(いきようよう)
レジへと持って行ったのである


俺が選び抜いた
   愛しい『高野豆腐』を!!


━━━━━━━━━━━━━━━

ミクロマコさんの荒野のガンマンという小説に触発され、"こうや" 違いの小説を書いてみましたw書けちゃったのだw

※本家のミクロマコさんの『荒野のガンマン』はカッコいい✨ので読んでみてね 

ワタシの作品は、コメディーな内容ですが 主人公は至ってシリアス!真面目(▭-▭)✧です。 朗読する際 そこがポイントとなります。だからオモロいので よろしくお願いします  

いいなと思ったら応援しよう!