【短編小説】「ありがとう、ごめんね」
「ありがとう、ごめんね」
アナタからの最後の言葉は
とても優しく冷たいものだった
「それだけなの?他に私に言いたいことないの?」
アナタは首を横にふるだけ…
ほら、優しくて冷たい…
「じゃあさっ最後のワガママ言っていい?」
アナタは一瞬 驚いた顔をしたが頷く
「「ありがとう」ってお互い言って
サヨナラしましょ
嫌いになって別れるんじゃないんだからさっ」
アナタの夢を応援したいから…
…だから…
私だって苦しいだけだから…
…だから…
アナタの励みになったり重荷になったり…
だから…別れを選んだの
アナタじゃないっ
私が選んだのっ
私の意志でっ
「ありがとう」
笑顔で言った
後悔などしない
私が決めたことだから