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院試に活きる通信制大学課題へのアプローチ|公認心理師コース
こんにちは。通信制大学4年生のHaccoです。
現在の所得済み単位は68、あと必修の1単位を履修することで卒業となります。
通信制大学には、院試に直結しないかも…と感じられる課題や科目もありました。
その中でもモチベーションを保ちつつ、院試に必要な力を養うことはできます。通信制大学出身の大学生さんにも、ポイントをおさえて、通信制大学のすべての単位を自分の力にして院試に挑んでほしいなと思って、この記事を書きます。
ポイントはこの3つです。
1)用語説明の書き方をそろえて練習を重ねる
2)知識は関連づけて整理する
3)論述はすべて実戦と心得る
1)用語説明の書き方をそろえて練習を重ねる
用語説明とは、心理学のキーワード1つについてまとめて説明することです。
多くの院試で出題されます。
例えば、「愛着について100字程度で説明しなさい。」などという問題が出てきます。「a)P値 b)発達の最近接領域 c)ICF …」と列挙されたものそれぞれへ短く説明を求められることもあります。
大学院によっては(多くの先生が指導なさっているために)出題される範囲がとても広いことがあります。発達心理学からも、司法犯罪からも、社会心理学からも、もちろん臨床心理学・心理統計からも…となると、公認心理師コースで必修の科目すべてから出題されると言っても過言ではありません。闇雲に知識を仕入れていると、きりがなくなります。
ですが、用語説明には一定の回答の型(テンプレート)があり、科目は違っても大体同じ枠組みで回答を作成することができます。
そこで、どの科目を学習するときにも、太字になっているような重要キーワードはこの「回答のテンプレートに沿って整理しておく」という習慣をつけてはどうでしょうか。
回答のテンプレートは、プロロゴスの動画で詳細に紹介されています。
これに沿って普段の勉強から用語を整理しておくと、「ここまでは説明しなきゃいけないこと」「これは具体的すぎるから要約としては書かなくていいこと」などと線引きしながら覚えていくこともできます。
通信制大学の欠点をあえてあげるとすれば、それは「ここまでは必須の勉強」「ここから先はオプションの勉強」という線引きを自分でしなくてはならないことではないでしょうか。後者の勉強は楽しいわけですが、院試対策と並列しづらい部分もあります。一定の線引きはここだ、とこの動画で見極めておくのは判断の基準として役立つと思います。
私は、この動画を見たのが4年次の4月前後だったので、大学の単位取得に勤しんでいるときにはこういう学習ができませんでした。4〜6月に科目を一通り復習するときにこの動画に示されているような基準で知識を整理し、記述できるようにしていったところ、非常に頭がスッキリしたため、ここでおすすめいたします。もっとはやくからやっとけばよかった!
用語のまとめが合ってるかどうかの確かめには、この事典がおすすめです。だいたい200〜300字でまとまっています。
一部用語の使い方や切り取り方が微妙な気がしたのですが(例えば治療同盟…)、学習する中できっと各々気づくことが前提なのでしょう。
2)知識は関連づけて整理する
1)の用語説明の延長線上にある話なのですが、心理学の知識は大きくまとまりを持っています。自分の納得する枠組みで、知識・科目をできるだけ関連づけながら理解していくことをおすすめしたいです。
例えば、
〈心理統計〉は〈研究法・量的研究〉、〈心理アセスメント・質問紙法〉などと関連しています。目に見えない人の心を、どうやって測定し見えるようにしていくかという目的が共通しています。(その意味では〈神経生理心理学〉もかも)
〈学習心理学〉は〈臨床心理学・行動療法〉、〈発達心理学〉、〈教育・学校心理学〉〈障害者・障害児心理学〉などと関連しています。動物としての人間のしくみや環境と人の基本的な相互作用を知ることが、発達途上にある子どもや心身に困難を抱える人の支援に役立つという枠組みが共通しています。
そういう関連づけのもとに、
・より関連が深い項目は重要=科目を跨いでどの角度からでも説明可能にしておく
・その科目にだけ特徴的な項目は優先度を下げる=その科目の先生がいる院試の対策にだけ利用する
くらいの強弱をつけて、学習することも可能です。
この知識整理は、1)の用語説明だけでなく、長い論述を書く際にも有効です。
3)論述はすべて実戦と心得る
私の通っている聖徳大学通信教育部では、論述タイプのレポートや科目終了試験を出題する科目があります。ざっくり印象ですが、そちらの方が多いような…?
・1600字以内でまとめるレポート
・10000字以内で(自由に)まとめる論述の科目終了試験
どちらも、院試本番=実戦を意識しながら取り組むことのできる素材です。
院試の長めの論述問題は、字数としては400字〜1200字くらいの幅があるものの、大きく分けて二つのパターンがあります。
①用語説明の延長線にある問題
1)で挙げたしんりしtvで「論述の書き方(基礎編)」としてまとまった動画があります。
用語説明をより網羅的に書く、というタイプの論述問題です。
大学のレポート(1600字)で、このタイプの出題がありますね。院試本番では400〜800字くらいにまとめることが求められていると私は思います。動画で紹介されているまとめ方の特に「1、用語説明の延長」を取り入れながらレポートに取り組むと、用語説明力もつき、論述力も鍛えられます。
②テーマに合わせて論理を展開する問題
確か〈産業・組織心理学〉の(2023年度の)担当の先生が論理展開をちゃんと指摘してくださる方で、非常に有用な、そして厳格な指導コメントをいただきました。
曰く、
・序論・本論・結論をしっかりと区別してかくこと。
・特に序論は、「◯◯(テーマ)について、△△(理論・立場など)の観点から論じる」と明示すること。
・本論は、序論で示した切り口を軸に展開すること。
・結論は、序論・本論を踏まえて展望を示すこと。
一段落目で、読み手にわかりやすく、設題の求める角度で方針を示したものが優れた答案であるというのは、大学受験時にもご指導くださった先生がおっしゃったことでした(一般試験科目に小論文のある大学を受験したのです)。
その後の展開に一貫性を持たせるという原則も、どうやら大学受験時の学習と同じようでした。
この先生のコメントから、
①序論で読み手にわかりやすく「◯◯(テーマ)について、△△(理論・立場など)の観点から論じる」と明示すること、②全体に一貫性を持った論理展開にすること、は、通信制大学のレポートや論述タイプの科目終了試験で求められる力であることがわかるかと思います。
またそれは、大学受験レベルから変わらない論述答案の指導であることから、論述問題の答案を作るときの原則であることも推測されます。
つまり、上記の2点は、大学院の論述問題を解く際の基盤である、といえそうです。
通信制大学のレポートの段階から、序論・本論・結論の展開を練習しておけば、いざ院試対策、テーマ型の論述だ、となっても、スムーズに対応していくことができるのではないでしょうか。