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「船」 けっち
Photo by Peter Hansen on Unsplash
コロナウイルスについて、最初にその恐怖を意識したのは「クルーズ船内で急速に感染」のニュースでした。まだ日本国内がいまほど感染者がでておらず(国内で1人感染者がでるとその1人の行動記録がお茶の間にながれるほど少なかった)、そんなときにクルーズ船の乗客は次々にコロナ感染していって止められない……これは本当に悲惨なニュースだったと思います。
クルーズ船といえば大金を支払って、世界一周をするイメージです。長年連れそった奥さんと一緒に退職金で、とか、お金をためて結婚したばかりの新婚旅行だとか……。そんな多くの夢をのせた船が一瞬にしてウイルス感染。それはまるでホラー映画や悲劇のタイタニック号をおもわせます。
では、今後もう船に乗ることはなくなっていくんでしょうか? たまたまクルーズ船の大量感染が強烈な印象を与えているものの、密封性でいえば船より飛行機のほうがあぶないです。アメリカの株の魔術師ウォーレン・バフェットも今回のコロナショックで数兆規模の赤字をだし、「生涯をかけてアメリカ企業に投資をつづける」といったらしいですが、それでも手持ちの飛行機会社の株についてはすべて売却したらしい。
コロナウイルスというものが根本的に退治されないかぎり、飛行機のような「密封性」がもっとも大事な移動手段は今後ずっとウイルスの不安と戦いつづけないといけないかもしれない。ということは、あれほど身近だった海外旅行も50年前のように「とても高級な」乗り物となって、一般市民では乗れないかもしれません。飛行機に乗るにも1人2メートルかつアクリル板のついたファーストクラスより広いスペースがいるかもしれず、採算をとるには10倍くらいの値段になるとか。もちろんそれは個人的な妄想レベルの推測ですが。
でも、そしたら船が今よりもっと海外へ行く手段になるのではないか。クルーズ船というほどの映画館やプールや劇場があるようなものではないにしても、1人1人のスペースをたっぷりとって船内の空気環境を整えたコロナ対策完備の乗り物ができるとしたら、それは一番船が安くできそうです。
昔、空気にウイルスが少なかったころ、ひとびとはみんな自分たちが鳥にでもなったように気軽にアメリカに飛ぶといってたもんだよ、と近い将来いうことになるかもしれません。アメリカまで船で行くようになり、その長旅のあいだに船内の滅菌個別ルームでパソコンを開いて仕事をつづける……そういう未来は進んでいるのか退化しているのか、ちょっと戸惑ってしまいますね。今日もありがとうございます。