初めてのスパジャポで大汗をかいた話
4月も残りあとわずかとなりました。
桜の時期も終わり、皆の関心はもう4月ではなく、ゴールデンウィーク。
そろそろ遠出をしようか、と考えつつ惰性で仕事をしている人も多いのではないでしょうか。ちなみにゴールデンウィークが終わるといよいよ最恐の病5月病の季節となります。毎日新規感染者が増え続ける恐ろしい病です。緊急事態宣言を出すとかして、政府には対策を打ってほしいものです。
さて、ゴールデンウィークも近いということですが、僕は仕事上あまり遠出はできない(コロナ警戒継続中)ため、ほんの少しだけ足をのばして温泉に行くことにしました。
ここスパジアムジャポンは東京都東久留米市にある関東最大級の名水天然温泉・岩盤浴施設で、温泉岩盤浴はもちろんのほか、約3万冊のマンガが読み放題だったり、食事もできたりする夢のような施設です。
とにかく広いということだけは、聞いていたのですがなかなかいくことができていなかったので、4月24日、ついに訪れてみることにしました。
まずは温泉。
関東最大級というだけあって、たくさん広かったです。(普通の感想)
露天風呂も一人で入るものから大きいものまでさまざまあり、飽きることなく楽しめました。朝10時くらいに入ったのですが、それでもかなりの人で、さすが人気スポットは違うなあ…と感じました。サウナもありましたが、どうしてもまだあの暑さは苦手で、いつかサウナで汗をかき、「ととのった~!」なんて言ってみたいものです。スパジャポには岩盤浴もあるので、まずは岩盤浴で慣れてみることにします。
温泉に長くつかることも苦手(飽きる)なので、40分程度滞在したのち、マンガを読むべく館内着(岩盤浴用)に着替えることにしました。貴重品は浴場ロッカーに入れておいてもよかったのですが、長く滞在する予定だったので、財布や鍵は一応手持ちのバッグに入れて、マンガを読み進めることにしました。
マンガ読み放題!と言われたとき、いざ本棚を目の前にしてみると、よりどりみどりで悩みます。限られた時間内で良作を読みたい、続きが気になってしまうので完結しているものがいい、といった様々な希望が絡み合い、最終的に知っているマンガに手を出してしまいがちです。(結局キャプテン翼を読みました。翼くん、かっこいい。)
お昼は台湾まぜそばを食べました。
食べ物の種類もとても豊富だったので、好き嫌いの激しい人であっても何かしら食にはありつけると思います。台湾まぜそばでまあまあな汗を流した後、さあ、いざ岩盤浴だ!ということで、今まで持っていた貴重品たちを一旦浴場ロッカーに戻すことにしました。
…あれ、おかしい。
鍵がない。
財布と鍵をセットで持ち出したはずなのに、鍵がない。
台湾まぜそばとは絶対に違う汗が流れ始めました。これはかなりまずい。
いや、落ち着けと。浴場から持ち出していないだけかもしれないじゃないかと。マンガ3万冊への高揚感から凡ミスを起こしただけではないのか、そう言い聞かせて浴場ロッカーを開け、あらゆるポケットを探るも、ない。
いよいよ嫌な汗となってきました。せっかくまぜそばでいい汗かいたのに。
とりあえず寝っ転がっていたハンモックまで探しに行きました。
僕の住まい(使っていたところ)にはすでに少年が陣取っており、呪術廻戦に没頭していました。少年にいったんどいてもらい、ハンモック内を探したが見当たらない。どうしよう。外の空気がより汗を不快にさせてくる。あ、ありがとう少年。
(このあと、完全に思考がショートし、確認したはずのロッカーとハンモックを2、3回往復します、少年は怪訝そうな顔でこちらを見ていました)
いよいよ窮地に陥った僕は、フロントに最後の望みをかけることにしました。ここであれば、ひとまず安心。どうしてフロントに先に聞きに来なかったのかとネタに出来ます。
ありませんでした。やばい!!!!
ただ、ここで1つ不安がよぎりました。
目に見えるものが真実とは限らない、覚えていることが真実とも限らない、もしかしてそもそも家の鍵を閉めてないのでは疑惑もここで浮上しました。
ただ、家の鍵を閉めた記憶はしっかりありました。ということは…
というわけで、一応最寄りの警察署に遺失物が届いていないか連絡してみることにしました。連絡する際のカオス脳内を整理すると以下の通りです。
この施設内で鍵を落としたのか?
この施設に来るまでに鍵を落としたのか?
鍵、持ってきてないのか?(可能性低め)
そして、このようなカオス脳で警察に問い合わせをすると以下のような気持ち悪い問い合わせになります。
結果は該当なし。いよいよ追い込まれました。崖っぷち。
岩盤浴に入ることなく大汗を書いている状況で、行方のしれない鍵を探すことになった時、「見つからなかった場合の今後の状況」について、考え出すようになりました。すなわち、①家に入れない②どこで落としたのかわからない③仕事にいくことができない、の3拍子が揃ったことから、以下の問題に取り組む必要が生じてきました。
鍵の見つからない状況で更に更衣室とハンモックを往復し、いよいよ少年に見向きもされなくなりながら、以下のような回答案を考えていました。
(回答案1)
ぎっくり腰で…!動けず…すみません。
弱い。鍵が帰ってくるのならば、いくらでも腰を痛めてもいい。それにその後見つかった場合にも、ある程度腰を気にする演技をする必要も生じてくることを考えると、そこまでの演技派ではないので、厳しい。
(回答案2)
親族の不幸系
これはよくない。中学生のころ、やたらと法事で部活を休む部員がいたのを思い出す。そんなに法事ある?というより親族そんなにいるの?というくらい法事で休んでいた気がする。何にしてもこれはよくないので却下、みんな元気ですし。
(回答案3)
鍵をなくしてしまって…!(正直に言うパターン)
本問については、条件がかなり厳しい(コロナ禍でなければ適当に風邪でよかった)ため、結果的にはこれが一番ベストなのかもしれない。もっとも、失くしたシチュエーションについては、「自転車を漕いでいる際に、落としたのかもしれない」「置き引きにあい、バックごとなくした」「駅前の商業施設でなくしたことはわかっていて、現在探してもらっている」などなどいろんなバリエーションの理由が考えられます。この際、自分の落ち度感を全面に出していくことがポイントでしょう。
(回答案4)
月曜日も休日だったらいいなと思って(お花畑思考)
まあ、みんなそう思っている。
そんなこんなで、結局鍵はみつからず、もはや汗も乾き、頭がぼーっとしてきた状況になり、スパジアムジャポン自体も嫌いになりかける自暴自棄モードに突入しました。相変わらず思考停止モードは継続しているので、ハンモックには引き続き足を運んでいましたが(もはや巡回警備)、巡回警備の一環として、フロントに進捗を確認しに行くことにしました。
あった。普通にあった。「これですか?」と鍵がでてきた。
目の前に鍵が現れた瞬間、素で「ああああ」と店員さんに声にならないありがたみを伝え、変な溜息と安堵の表情を浮かべ(店員さんからすればとても気持ち悪かったと思います)、心の底から「ありがとうございます…」と感謝の気持ちを述べました。大学受験や就職の合否でもここまでの安心感はありませんでした。ようやく、僕の鍵探しの旅は終わりました。時間にしておよそ一時間。温泉やハンモックで癒された時間はどこへやら、ただただ疲労のみが残りました。
ここから先はもうあっという間です。
鍵を今度こそしっかりと、ロッカーに入れ、初めての岩盤浴を経験し、今度こそ健康的な汗を流し、岩盤浴のお供に左利きのエレンを読み進め、汗を流し、岩盤浴の良さに気づき、最後にもう一度浴場に行き、湯船につかり(午後は信じられないほど人が増えていました)、コーヒー牛乳を飲んで、18時ごろ、退館しました。
一度はどうなることかとおもったスパジャポ。
楽しみ切れなかった感じもするので、また行きます。(今度は鍵をちゃんとしまいます)
鍵を届けてくれたどこかの誰かさんへ、本当にありがとう。
おわり。