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日記hibi/ 2019/3/18〜3/24

2019年3月18日(月)
 朝から読書日記。この日、この時間で読むのはすごくいい、という感じがする。月曜の朝から、というのがちょうどいい。心地よく、一週間分を読み終えて、事務所。しかし、先々週の台湾から、どうにもためてしまっているのであと二週間分の未読がある。それはそれで幸福だ。

 ここ数日、花粉症の調子がすこぶる良い。この感じは、甜茶の効能だと思っている節があり、そこには、そうだったらいいなという願望が多分に込められている。ぼくはこの、甜茶を飲むようになった経緯、オムライスラヂオで西尾勝彦さんが甜茶が花粉症に効く、と言っていたのを聞いて甜茶を飲み始めた、という経緯にすごく好ましい気持ちをもっていて、だから、その甜茶がいい感じに花粉症に効いてくれるとすごく幸せだという思いがある。なにより、それが聞くことによって僕は毎年、もしかしたら日常的に甜茶を飲むのかもしれずそうだとすれば、このきっかけの思い出は、もう10年も20年先でも容易に思い出せるものとしてぼくの中に根付くことになる。そうなった時の幸せを思って、今日も効いてくれてありがとうという気持ちで甜茶を飲んで過ごしている。

 事務所で勤勉に働いたのち、なんかこれちょっとやばいくらいに重い、という本のダンボールをカートにのせ、下北沢まで移動。本のフェス用の本で、HABに直納品されたものをB&Bまで持ち込んで一箇所にまとめておく作業で、それでこの距離のダンボール移動は慣れているのだけれど、今日から? ぼくの認識では今日から代々木八幡駅のホームが二階に新設されて、改札をくぐるまでにエレベーターを使わなければいけなくなった、それで重いカートを引いて乗り込み上昇。しかし駅のホームは一階のため、改札を通ると再び降下。新設されたホームドアに運転手さんも慣れていないのか、若干停車位置が手前だったようで、電車止まるもホームドアが開かず沈黙。しばらくしたのち電車が動くと自動的にホームドアが反応して開放。しかし少しだけ動いた電車はなぜかまだ扉を開けることができず、ホームドアだけが開いているという割と危ない状況で停車、しかしてのち開放。乗り込んで下北沢。下北沢の駅ホームも地下一階のため再びエレベーターで上昇。小田急と京王が駅内での乗り換えが不可に、これもつい最近なったようで、駅内には2つの会社を区切る新しい改札ができており、その改札によってできた、新しい人の流れを避けるようにして駅を抜け、下北沢B&B。B&Bのバックヤードで本を仕分けて、入荷チェックをして箱詰めする作業に没頭し、HABの分はHABの分ですぐリトルトーキョーに納品しなければならない本があったのでそれをふたたび一箱分に詰め直して、またもや来た道を戻るように小田急線から新宿線で蔵前。いまここ二年くらいで、小田急線と大江戸線経由で日本で一番本の入ったダンボールを往復させているような気がする。ルーチンワークを経て、蔵前でツウハンサイトで売れた本を梱包するなどして、やって身軽になって家まで帰ることにした。本を担いでいない移動、というものにむしろ違和感があるような気持ちでなにか忘れ物をしている気分で歩く。

 すると、改札の切符売り場のところに外国の方がたむろしていて、それは蔵前では珍しくない光景なのだけれど、あれ、と思いよく見ると、野球の、マリナーズのユニフォームを着ていた。そうか、日本開幕戦にむけた練習試合が今日も行われていて、おそらくそれを見に来たついでに浅草に泊まって、開幕戦の前後は観光などされるのであろう、なんと好ましい光景か、と更に見ると、彼、その外国の方の着ているユニフォームの背中には「ICHIRO」とあった。それを見た瞬間、ぼくはすべての、すべての邪な感情が抜け落ちてその場で一瞬立ち尽くしてしまう。「ICHIRO」。贔屓にしているチームの開幕戦だ。だから日本だろうかどこだろうか、現地に行って必ず見るさ、そういうファンは少なからずいる。もちろんそれは、“かなりの”ファンで、筋金入りでマリナーズが好き、ということに間違いがない。その、彼の背に「ICHIRO」がいた。ぼくは、少なからずこの、今回のイチローの来日に両手を上げて喜ぶ、ということができないでいた。そもそも昨年の初夏。イチローが「アドバイザーになるのでもうメジャーの試合には出ませんが引退ではありません。来年には復帰します」という謎の、すくなくとも僕には謎に思えた理由でぷつっと試合に出なくなったときに、なんだかかっこ悪いと思ってしまった。その段階で翌年のマリナーズの開幕戦は日本で行なわれることが決まっていて、日本でプレーするためにマリナーズは(本当は引退させたかったが、興行のため)イチローを残した、という話は囁かれていてぼくもそう感じた。それは、なんだか、ぼくがかっこいいと思っていたイチローではなかった。メジャーに上がれなくても、マイナーでもプレーして、チームはイチローを日本開幕戦用の、興行向けの、選手だと思っていても、イチローはそれをただ受け入れるのではなく、プレイヤーとして迎えてくれるものだと思っていた。昨年のシーズン前にマリナーズと契約したというのは、そもそも日本開幕戦に向けて、引退に向けて、ということで間違いはなく、覚悟しながらそのシーズンのイチローを見ていた。だから、中途半端な選択に、ぼくはなんというか、「幻滅」したのだ。でも、それはファンの奢りだった。彼ら、ずっとマリナーズを現地で応援してきた人にとって、イチローは地元のレジェンドだ。マリナーズはイチローが加入した2001年を最後に、一度もリーグ優勝していない。その最後の優勝の象徴的な存在、イチローが晩年、マリナーズに帰ってきてそのユニフォームを来てプレーしている。それ以上に、なにを望むことがあるのだろうか。こんなことは奇跡でしかない。その一挙手一投足が、ファンにとっての、ずっとマリナーズを見てきたファンにとっての喜びでなく、なんなのだろうか。ただ、イチローという存在を外から見てきたぼくのような人間がなんと言おうが、どう思おうが、それが奇跡でなくてなんなのだろう。
 ぼくはだから、とてもあたたかい気持ちで、胸を打たれながら、イチローがヒットを打てるといい、打ってほしいと、ただただ祈りながら、電車に乗り込んだ。

2019年3月19日(火)
 納品に行きたかったが、数日前から原付のエンジンがかからないでいた。それで、家から歩いていけるバイクショップに駆け込んで、見ていただくと、なんか湿気ってるだけですね、とアクセルをふかしながらエンジンをかけるとベンツきはすぐに直った。タダでいいとのことだった。それから、両国>蔵前>神保町>蔵前>秋葉原>蔵前>清澄白河>両国。

 一度八木書店に在庫を納品に行った後、店に戻って印刷データを作る。百書店の冊子に挟み込む別紙で、それを印刷したくて再び店を出て秋葉原に向かう。ヨドバシで色紙を買って、キンコーズ。今日はおじいさんがパソコンを使っている。印刷ではなくメールがしたいだけのようだった。同人誌を作っている人はいない。印刷を終えると店に戻って作業。そこから再び荷物を整えて清澄白河へ納品。ぜんぜん時間は余裕のつもりでやっていて、清澄白河で「遅い時間にわざわざどうも」というようなことを言われて気がついたら21時で、マジ申し訳ないと言うか、えーもうこんな時間と思いながら陳列。家に帰って本のフェス用のチラシデータをこしらえて、先日まとめ買いした『スティール・ボール・ラン』を読んでいたら、疲労からか目が痛くなって、目が痛いまま読みづつけてどうしようもない体調で就寝。

2019年3月20日(水)
 そうすると、花粉症がひどい。甜茶の効能を押し切って体調不良のようで朝からすごくひどい。

 代官山蔦屋書店まで代々木八幡からうまく移動する手段がない。レンタサイクルがあればい一発なのだが、代々木八幡の近圏にはコミュニティサイクルもない。それでも電車を乗り継いで打ち合わせに行って、そこで帰りに「WIRED」を買って、それはこんどの百書店のイベント用で、「WIRED」は雑誌だし今から手配してもイベントには間に合わないからまぁもう一冊買っちゃえ、という判断で、当然利益は出ない。

 相方を待って、電車のホームで延々と本を読んでいる。今度の店主の読書会で読む予定の、千松さんの本を帰りの新宿ブックファーストで買って、なんで代官山で買わなかったんだろう。それでついでに漫画、なにか漫画の新刊がでていたはずで、なにか買おうと思っていたのだけれども、なんの新刊だったっけ、売り場を周って回ってしかしこの店のコミック棚はスラント棚で、収容力は高いのだけれど平台がない。表紙で覚えるコミックは本当に探しにくいなぁでっかい平台をおくれよ、と毒づきながらごはんの漫画を買って帰ったその漫画は電車で読んでしまって、だから「もうすぐつくから駅から一緒に帰りましょう」と言われて相方をホームのベンチで待つ間は千松さんだった。

2019年3月21日(木)
 薬を買いに行ったら、これがいいですよこの方が、と。それでなんならこのおまけもつけますから、と一体この彼はこれを買わせることでなにか、なにかすごい特典でもあるのだろうかという勢いで進められて、結局押し切られてしまった。なんだだろう。PB商品だからなのだろうか。そうなのだろうけれども露骨な提案であった。

 祝日なので営業日。 

 改装作業をしていると15時で、ここまで入ってきてくださった方、入ってきてくださった方で5名。あ、いまおふたり。7名。祝日だなぁと思う。そこからはそこそこ、多くはないが及第点というような売上に落ち着く。

 それですぐに店を出て、夜の蔦屋書店銀座店で、佐久間さんのイベントのアテンド。大変な緊張。ビールを買ってきて手渡す仕事をこなす。大変に良き。ビールも、トークの内容も。白川さんと急に会う。イベントを手伝っているとのことだった。

イチローが引退してしまった。

3月22日(金)
 朝からイチローの引退会見の全文書き起こしといったものをよんでたいへん良い。

 急に在庫が必要になってしまい、連絡をして無理を言ってトランスビューに『MyLittleNewyorkTimes』を20冊取りに行く。原付きがあってともに拠点が東京の東側であるというのはとても助かる。それでHABに寄って、明日の荷物をまとめて、カートに乗せて『MLNT』20冊とともに電車で代々木八幡。打ち合わせがあってその話を聞いたあとに、イベント用のPOPを作る作業に精をだす。それで足を、捻挫した方と同じ足、その足の指をずっと怪我していて明日明後日のためにスリッパというか、サンダルがほしいと思っていて、一足早く下北沢に移動し、運んだダンボールを置き、荷物を整えてからなんとか20分くらいの時間ができたので急いで買いに行き、夏先取り!みたいな、スリッパのようなサンダルを購入した。明日に向けて憂いがなくなったと喜び、ダンボールを10箱、地下のB&Bから地上にせっせと上げて(働き者)、竹田くんを待つ。下北沢までわざわざ来ていただいたお礼を言いながらに荷物を市ヶ谷のイベント会場に運び入れ、撤収。

3月23日(土)
 朝からとても調子が悪い。鼻水が止まらないし目が痛い。花粉症の症状でてきめん、免疫力がおちている感じがある。それで、というか、それが原因ではないのかもしれないけれども、出発が遅くなってギリギリで家をでると、途中で財布と携帯電話を忘れてしまったことに気づいて、急いで戻る。コートの上かたらホームセンターで買ったレインコート、マスクにヘルメットという出で立ちで、鍵は財布の中に入っていたし、出るときは相方が中から鍵を閉めてくれたので使わなかった。それで呼び鈴を鳴らすとなんの反応もない。それでも入る方法は家の中から相方に開けてもらう以外にないので何度か呼び鈴を鳴らす。しばらくして開けてくれた相方は顔面蒼白になっており、モニタで見ると黒づくめでマスクをした不審者にしか見えなかったらしく、それはその通りで、正しい危機管理であり、とても謝る。

寒い、あめ。

本のフェスの会場に着くと、当然竹田くんはもうついていて陳列を始めていた。それに急いで加わり開場。

僕は銀座に『MLNT』を納品する予定があって、開場してからすぐに抜けて銀座。ついでに「本」のロゴの写真をまとめたZINEを買う。そこからは怒涛で、

ぬいぐるみに向かって、ピースする子ども。親のとなりで。
新潟から来てくれた人がいてありがたい。
片付けて帰る。寒い。YATOはやっていない。

寝る。

3月24日(日)
 本のフェス二日目。電車で向かう。小岩→市ヶ谷。市ヶ谷の釣り堀は、日曜日だからなのだろうか、親子連れで来ている人がいる。日曜日に釣り堀に行こう、という提案はなんだかとてもいいアイデアのように思われた。

猫ピッチャー、ゾロリ、のんたん、いかギャング、たいようしゃ。

太洋社はなんでメモしたのだったか。

イベント終わり、本を箱に詰めて届けてから、また戻って「余白」。ビール。
家に帰って、今日の売り上げを清算してお金を合わせて、ビールふたたび。

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