働いているふりをするのをやめて「やりたいこと」優先にしたら仕事が楽しくなった
戦後の識字率の高さから、アメリカの植民地にならずにすんだ日本人が、なぜ今労働生産性を失っているのでしょうか。
多分戦後教育のせいです。これは僕個人の感想ですが、小中高の授業はとても退屈でした。平均に合わせた授業は、クラスの半分を退屈させ、半分を置いていくような内容と言えます。分かり過ぎても面白くなく、分からなくても面白くない。みんなが面白くない授業を12年間も受けたら、時間潰しの習慣と面白くない話を聞くふりをする技術が身につくだけですよね。
それが、社会人になっても、やっぱりついつい働いているふりをする癖として残ってしまったのが、日本人の労働生産性の低さではないかと思うのです。
僕は双極性障害からバーンアウトして、長いうつ状態になった時、働いているふりをすることができなくなりました。とにかく動けないので、他の人の迷惑にならないよう個室にこもってリクライニング椅子でほとんどの時間寝てました。当然のように遅刻してきて定時に帰っていました。鬱と薬のせいで集中して働けるのは1日1時間程度。出張も最低限に。それでも、周囲の協力で仕事は回っていたのです。あれ?これでいいのか?と思いました。
その後、もう少し動けるようになって、今は1日3〜5時間程度のペースで働くようになっていますが、それ以外の時間はビジネス書を読んだり、このような文章を書いて「働かずに」過ごしています。疲れたら昼寝もします。当然残業や休日出勤などの手当がつくような仕事はしません。断れる仕事はできるだけ断って、作り出した時間を「やりたいこと」をして過ごすことにしました。会社を作ったのもそのためです。
今まで働いているふりをして、大して重要ではない文献を読んだり、使う予定もないプレゼン資料を作って暇を潰していた時間を、「やりたいこと」で埋めたのです。会社経営について学んだり、宗教本を読んだり、随想を書く以外にも、気が乗らない時にはゲームをやったり、家事をしたりすることも多いです。それが起きている時間の密度を上げることにつながりました。
朝は5時、6時に起きて活動を始め、午後4時からは夕飯を食べてリラックスする。リモートワークのおかげでこれが習慣になりました。以前なら夜は7時ごろまで職場にいて、それから帰って食事をしていたため、翌日に疲れが持ち越されることが多かったのだとわかりました。日が暮れてから働くのは効率も悪く、健康にも悪いです。深夜まで飲み歩くなど正気の沙汰とは思えません。
早く寝て、朝起きてから今日はこれをやると決め、それが終わったら余計なことをせずに、「やりたいこと」に回す。時間は短くなっても、集中力が高いので仕事の質は上がり、むしろこれまでよりも多く働いている感じがしますし、成果も上がっています。もっと早くこのスタイルに気付けていればと思いますが、病気とリモートワークがなければ、今もダラダラと仕事していたでしょう。病気さまさまです。
やりたいことをやれると、自然とモチベーションも上がります。ちょっと面倒な業務も、その勢いでこなせます。すると逆に、周囲のペースの遅さが見えてきます。仕事が遅い人を急かす必要はありません。周りの人がゆっくりやってくれれば、その時間を「やりたいこと」に回せるのですから。