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複数の生成AIがブレインストーミングでアイデア出しとマインドマップ整理してくれる創造性拡張ツールmonju.ai

海外生活が10年になった私は、日本の文化や長い歴史にたびたび感銘を受けます。

三人寄れば文殊の知恵

このことわざは古くから伝わるものですが、一方で現代風に解釈すると「ひとりで考えられるアイデア出しには限界がある。しかし3人でやれば限界突破できる」ともいえるでしょう。

現代ならオンラインで仲間で話し合って効率的にアイデア出しはできるかもしれません。ただ昨今の生成AIを使えばさらに加速することができます。

私こと、今年7月に『マルチAIブレインストーミングアプリmonju』をリリースしました。

リリース直後こそ全く反応はありませんでした。しかし多くのご紹介により今では日本国内だけでなく海外からもご利用いただいています。

このノートでは使い方の紹介と私の想いを整理しました。最後までお読みいただけると嬉しいです。


使い方

まずはお手持ちのブラウザで下記のサイトにアクセスしてください。

ログイン不要で無料でお使いいただけます。PC、スマートフォン、タブレット、どの端末からでもアクセスできます。

monjuで3つのAIにアイデア出しさせている様子「3AI寄れば文殊の知恵」

使い方はサイドバーにある『テーマ』を入力し『開始』ボタンをクリックするだけです。

テーマは「今夜の料理」から「新ビジネス考案」まで幅広く使えます。何がしたいか、どういうアイデアが欲しいのか入力してください。

またお好みで『アイデア数』と『自由度』を設定できます。

アイデア数は各AIに出させるアイデアの個数を指定します。デフォルトは各10(計30), 最大各20(計60)まで設定できます。

自由度はAIの発想の活発度を指定することができます。デフォルトは0.7, 1.0で開放的・自由な発想、0だと保守的な発想になります。

『開始』ボタンをクリックすると3つのAIがアイデア出し、マインドマップ整理、結果の評価をしてくれます。だいたい1分以内で全工程を完了します。

各AIが出したアイデアをマインドマップに整理
マインドマップの結果を各AIが評価

あなたは結果を見て検討や次のステップにご活用いただけます。

生成内容はマークダウン形式のテキストファイルとして保存できます。共有や編集にお使いください。

monjuが生まれた背景

ブレインストーミング(ブレスト)をやるには複数の人を集める必要があります。Wikipediaから本来の活用について引用させていただきます。

欧米諸国では自由な議論ができる風土はあるものの、日本で活用するにはこのような課題がありました。

  • 批判的なコメントをしないルールはあるものの、それでも上司や空気を読んで発言をためらってしまう。

  • 人手不足で人材確保が困難。

  • 日々の業務に追われて時間の確保が難しい、また同じ時間に多くの人を集めるのが難しい。

このような課題もChatGPTの登場により一人でできるようになりました。そのため「AIブレインストーミング」という単語自体は2023年3月の時点でかなり死語になっている感じがしました。

私は大学・大学院時代にブレインストーミングを習っていたので正直ツッコミも入れていました。「これブレストというか、壁打ちだよね」

言葉の定義を追求すると議論の本質から外れるためこれ以上言及しませんが、何か違和感だけは残っていました。

幸いChatGPTが出てから自分なりにOpenAIのAPIを使っていました。ただ自分用とだとチャットアプリで十分、何かを開発しようと思いませんでした。せいぜい一括バックグラウンド翻訳くらいの用途でした。

そして元木大介さんがリード開発している『創造魔法ゾルトラーク(Zoltraak)』、『プロジェクトバベル(Babel)』にかかわらせていただくうちに「自分も何かやってみよう」という気持ちになりました。

様々な生成AIを触っていくうちに「モデルごとに個性がある」ということには気がついていました。同じプロンプトでも ChatGPT, Claude, Gemini でそれぞれ答えが違うことには気が付いていました。

これらの感情が組み合わさって「(本来の)ブレインストーミングをAIにやらせたらいいのでは?」という所に到達しました。

フロントエンド開発は弱いのでおしゃれなアプリは作れません。しかし Python はできます。 Python はライブラリが充実しているので開発自体はそれほど大変ではありませんでした。

試作アプリの満足度は個人的に高めでした。「一定の層には需要はあるだろう」と。

そして2024年7月3日、monju.aiとして公開しました。

最初は「AIブレインストーミングmonju」という名前でした。しかしAIブレストが死語になっていたこと、そして海外展開も視野にいれて "Multi-AI Brainstorming monju" としました。

昨今のAIにまだ抵抗のある人は多いかもしれません。しかし将棋の藤井聡太さんを見ればわかるように、AIはヒトの能力を拡張するツールです。アイデア出しと活用がAIでブーストできるという持論は持っていました。

そしてリリース2か月後、インフルエンサーの木内翔大さんに紹介していただき一気に認知していただけました。

リリース後は1日1件使われていれば良い方だったmonjuが一気に24時間で500件以上使われるアプリになりました。

海外でも活用されている『日本発の生成AIアプリ』へ

日本がAIで世界をリードしたい。

この思いを抱えているインフルエンサーさんを見てきて自分も感化されています。

私には発信力や信用はない。しかし培ってきた技術力、英語力、海外就労で培ってきた海外展開のノウハウは惜しみなく出していく。

Zoltraak, monju どちらの開発にも活かしているつもりです。

そして海外展開は思いのほか早くやってきました。

木内さんにご紹介いただいてから、なぜかアラビア語のご利用が増えていました。なぜか英語より利用回数が多いのです。

エゴサーチをしたところ、アラビア語でmonjuを紹介していただいていることがわかりました。

そのため多言語対応を早急にやりました。もともと多言語対応をするつもりでテストプログラムを作成中でした。これが功を奏してすぐに対応できました。

この記事の公開時点では28言語でお使いいただけます。日本語以外ではアラビア語が多く利用されています。続いて英語、韓国語、フランス語などでもご利用いただいています。

monjuは海外展開も意識して名前を付けました。

monjuという名前はもちろん「三人寄れば文殊の知恵」のことわざに由来します。

しかしそれだけではありません。

monjuというアルファベット表記がシンプルで発音しやすい。絵文字は海外でemojiと呼ばれています。tsunamiのように英語辞書に掲載される日本語もあります。

これなら海外でも浸透するのではないか?

幸い "monju.ai" というドメインもまだ使われてなかったので購入しました。正直値段は高かったですが購入して良かった。

世界に浸透してもらうにはまだまだ皆様のお力が必要です。

最後にこれだけは書かせてください。自分だけ良ければよい、という気持ちで開発してません。有料にしてAPI代だけでも稼ぎたいのが本音ですが、それができない事情もあります。今はこれ以上書けません。

生成AI界隈で盛り上がっているBabel-Zoltraakや日本語特化の言語モデルEZOシリーズなども引き続き応援・支援します。

今回monjuの認知により、自分の軸というか、名刺代わりのものができたものと思います。これを起点にもっと展開もできればと考えています。

オールジャパンで生成AI界隈が盛り上がれば最高です!

2024-10-20追記:ライブにてmonjuを紹介しました


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