よこてのカモシカ集団
私たちが暮らす横手市には、現在二十数件の麹屋がある。
世帯数3.5万ほどの横手市に麹屋が二十軒、と言えば、麹の消費量を想像していただけるだろうか。雪解け時期の味噌づくりから始まり、夏は農作業の合間に食べる野菜の浅漬け、秋は冬のための保存食を作り、冬は大人も子供も麹で作った優しい甘さの甘酒を飲む。一年中麹を使った料理がどの家の食卓にものぼるのだから、麹屋は一年中忙しくさせてもらえている。
物議を醸しだす、雰囲気を醸す、など日常でも「醸す」という単語を使うことがある。状況が沸き