人権で炎上“たぬかな”の配信形態が理想的すぎる。
「170cm以下は人権がない」――
そんなキャッチーかつセンシティブな発言と、レッドブルがスポンサーをしている格ゲーの女プロゲーマーという世間から嫉妬を買いまくりそうな肩書きが絶妙にマッチして1年前大炎上した”たぬかな”。
世間一般の皆様方は、たぬかなに対してただの炎上したヤバい奴という曖昧なイメージしか持っていないのではないだろうか。
そんな方々に、
彼女の配信の在り方は今の配信界でトップクラスに素晴らしいんだ!
ということを 自称熱心なたぬかなリスナーである筆者がお伝えしたい。
たぬかなって今何してる?
そもそもたぬかなってまだ生きてたんだwって思っていた読者もいらっしゃると思うので、まずは彼女の炎上後を超簡略化して紹介。
たぬかなは炎上後1年の謹慎期間を置いて、現在は配信プラットフォーム『Twitch』を拠点に配信者として活動している。
レ〇ドブルのスポンサー契約を失ったたぬかなはゲーム配信はほとんどせず、視聴者との雑談をメインとした配信を展開。
週に3-4回ペースで約2時間の義務配信を行い、コンスタントに同時接続者数を1000人以上集める人気配信者となっている。
雑談内容もプロゲーマーらしくゲームの話題ばかりかというと、そんなことはない。
安心して!彼女はもう女プロゲーマーではなく、女プロニーターだ。
たぬかなに興味があってフラーっと配信を見に行ったら、誰でも楽しめる内容の話をしていることだろう。
たま~にVAROLANTというFPSゲームを配信することはある。謹慎中VALORANTばかりやっていただけあってそこそこ上手いらしく(筆者はバロやったことない)、謹慎中に磨いた抜群のエイム力は必見だ。
簡単にたぬかなの現在を紹介したところで、ここからはたぬかな配信の何が素晴らしいのか?について解説する。
一般的女配信者との違い
“夢”を売る女性配信者たち
Vtuberと呼ばれる二次元女配信者やコスプレイヤー上がりの女性配信者は、陰キャヲタクに「かわいい女の子とお喋りしている気分」という夢,幻想のような場所・雰囲気を売りにしているように思う。
可愛くてヲタク文化に精通している女の子なんて現実ではなかなかお目にかかれないから、そういう人とのお喋りを 配信を通して疑似体験する。
そんな”夢”自体が一般的女配信者のセールスポイントであり、彼女たちに卓越したトークスキルなんて必要ない。コメントを拾ってキャッキャウフフしていれば、視聴者はそれを見てデュフフな気持ちになれる。
夢を売っている女配信者は、視聴者にあま~くて優しい言葉ばかり投げかける。ヲタク視聴者はそれを求めているからだ。
別にそれはそれで両者が幸せなら良いのだけれども。そういう刹那的な娯楽もあって良いものだろう。だが、ヲタクたちは夢ばかり見て現実から目を逸らしていていいのだろうか、とどこか何様目線か分からないような視点で見てしまう自分がいる。
“現実”を説いてくるたぬかな
それに対して、たぬかなのセールスポイントは”現実的”なトークだと思っている。
炎上やアンチを恐れる配信者は当たり障りのない話をすることが多いが、彼女は現実に存在するきわどい話題にもガンガン切り込んでいく。
容姿,恋愛,人生観,人間関係,性…
きわどい話題に対して”皆思ったとしても世間体を気にして口に出さないこと”を、たぬかな独自のトーク力と言語化能力を駆使して、断定的に率直にズバズバ切っていくのが痛快なのだ。
彼女の支持層には、社会的に落ちぶれて異性に相手にされないレベルのスペックしか持たない男性 通称「弱者男性」が多いのだが、彼女は弱者男性である視聴者を痛烈に罵倒する。それが彼女の配信の名物だ。
「弱者男性はなぜ弱者なのか?」
「弱者男性のここがダメ!」
彼女は女性目線から弱者男性のだらしない身だしなみ,歪んだ思想・心理を的確に指摘したうえで罵倒してくる。
グレーな話題に切り込む男性配信者は珍しくないが、女性でそんな危ない橋を渡る人はいない。大炎上を経験し乗り越えた彼女だからこそできる芸当だし、それを上手くできるのも彼女の才能だろう。
本質は弱者男性の救済
ここまでの紹介だと、「なんやねん、ただ過激なこと言って注目集めてるだけの女やん」と思ってしまうかもしれない。というかそういう紹介になっている。
ただ彼女の配信を聞いていれば、弱者をおもちゃにして過激な発言をしているというよりは、ちょっと口が悪いだけで実際は弱者男性にアドバイスをしていることが分かるだろう。
「弱者男性は○○で弱者なんだから○○しろ!」
「モテたいならこうしろ!」「○○な男は女からキモがられてるぞ!」
弱者男性の悪いところを痛烈に批判しながらも、最終的にはどうすれば良いのか?まできちんと細かくアドバイスしてくれる。
それが女性目線に立った意見であるというのも良い。弱者男性に親身になって手取り足取りアドバイスしてくれる女性なんて世の中に基本存在しないといっていいだろう。
たぬかなは格ゲーという男社会に属していたからか、弱者男性に対する理解度がかなり深い。そのうえで、罵倒チックではあるが弱者男性に寄り添い、救いの手を差し伸べる。弱者男性をダシにして注目を集めているのではなく、弱者男性の救済の場となっているのだ。
だから、弱者男性視聴者も彼女を厚く支持している。彼女の切り抜き動画が出回って以降、人権問題で誹謗中傷していた元アンチの弱者男性すら手懐けてしまったほどである。
彼女の痛快なトークを聞いているだけで楽しめるし、それを聞いて人生の参考にできることが結構出てくる。これは弱者強者,性別に限った話ではない。たぬかなの話を参考にして自己投資を始めました、なんて視聴者も少なくないのではないだろうか。
弱者男性に現実を突きつけながらも救いの手を差し伸べたり居場所を与えたりする姿はまさしく社会貢献であるし、その様子をエンタメとして完全に昇華しているところが配信のかたちとして素晴らしいのではないかと思っている。
視聴者との距離感の取り方が絶妙
たぬかなの配信にはなぜか数人から十数人の金持ちリスナーがパトロンとしてついており、彼らが日々大量に投げ銭したりサブスクを配ったりしている。そこはやっぱりたぬかなが女だからブーストがかかるのだろうか。
もちろん彼らはたぬかなに完全に認知されているわけだが、彼女はそのパトロンたちに媚びすぎない。そこの距離感の取り方が上手いので、配信が完全に閉鎖的になっていないように見える。パトロン側も、金を投げるだけ投げて自己主張は控えめなのがありがたい。
あれだけ金を投げるパトロンがついているのに、金を投げない視聴者にもきちんとコメントで個人として認知してイジったりするし、アンチ風のコメントにも割と反応する。
配信だけでなく、TwitterのDMも積極的に返しファンとの交流を図って、その内容を配信のネタにしている。中には自分の性器の写真を凸してくる輩もいるが、彼女はそれすらも配信でネタとして昇華してしまっている。5月に「他者への性的嫌がらせ」を理由にTwitchを1週間BANされたことがあったが、真に性的嫌がらせを受けているのは彼女なのだ。
たぬかなが作る配信の雰囲気が面白くて金持ちが金を大量に落とし、彼女は適度に反応しつつも弱者とのやり取りという基本線を外さない。
常連リスナーと距離感が近すぎず遠すぎず、新規リスナーでも比較的平等に個人として反応する、そんな視聴者との距離の取り方の上手さがコミュニティとして独自の良さを生み出している。
配信で稼いだ金で親の借金を肩代わり
たぬかなの実家には諸々の理由で500万円の借金があるらしい。父親はこの間亡くなり、母親は実家がある徳島県でパートとして生活費を稼いでいる。
今彼女が配信活動で受け取っているお金はその借金返済や母親の仕送りとして充てられているようだ。余裕のある金持ちから大量に金を投げてもらい、それが本当にお金を必要としているところに流れる。
こう考えると、富の再分配がなされている感があって素晴らしい。これはたぬかなに限らないことだが、配信者や水商売の人たちが稼いだ膨大な金がこのように必要な人の元に流れていることなんて結構あることなんだろうな、と気づかされるきっかけとなった。
今までは
「こんな生産性のあらへんことで稼ぎまくってる奴がおるなんて許せん怒」
と思っていた節はあるからなあ。反省。
弱小配信者へのレイド
「レイド」とはTwtichの機能の1つで、配信を終えるタイミングで別の配信者にそのまま視聴者を移すというものだ。たぬかなはこの機能を使って同時接続者数が少ない無名の弱小配信者へのレイドを頻繁に行っている。
このレイドがきっかけでプチブレイクを果たした配信者も生まれたらしい。彼女は自分の配信者で弱者男性を救うだけでなく、弱小配信者にチャンスを与えることまでしているのだ。
まとめ 簡単に言うと何が素晴らしいのか
結論:たぬかな配信という存在が誰も不幸にさせず富の再分配・弱者救済を実現している
たぬかなは自らの知識・経験・トーク術で弱者男性や世の中を切りまくり、その中で弱者男性と呼ばれる人たちに救いの手を差し伸べる。これを売りとして配信している。
彼女は弱者男性から金をむしり取ろうとはしない。彼女の話しぶりからしてもともとそんな気はないんだろうが、それ以前に、彼女の配信を面白いと思ってくれる一部の金持ちリスナーが大量に金を投げてくれるからその必要がない。金持ちリスナーは余裕のある範囲でお金を投げて承認欲求が高まる。
たぬかなは金持ちリスナーから投げてもらったお金を自分の親のために使う。たぬかなという魅力的な人間を媒介して、金持ちから富の再分配が行われる。配信者が稼いだお金を親のために使うというそのストーリーがまた視聴者を幸せにする。
さらにレイド機能を活用することで、弱小配信者に対して視聴者の再分配すらも行っている。
たぬかなという存在を中心に、
関係する様々な人間が幸せとなっているのだ。
彼女が悪影響を与えたのはレ〇ドブル社くらいだな。170cm以下で心の底から傷ついた人間なんてまぁおらんだろうし。僕は168cmです
以上が、なぜたぬかなの配信形態が理想的なのかについての解説だった。
ここまで読んでくれた方は、せっかくなのでぜひたぬかなの配信や切り抜き動画を見に行ってみてほしい。
ちなみに、ここまで読んでスキボタンを押さない人は人権ないってたぬかなが言ってました。押しといた方が良いと思います。