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目の前には二つの道がある。 一方は利益を得られる道。もう一方は安らぎへの道。

ブッダのことば 『愚かな人』

眠れない人にとって夜は長く、疲れた人にとって道のりは遠い。
同じように、善い生き方を知らない人にとって生死の道は長く遠い。

社会に出て、もしも自分より優れた人や同等な人に出会うことがなければ、もうきっぱりと自分なりの道を進むべき。下手に人に合わせようとすることはない。

私には子供がいる、私には財産がある、といって愚かな人は悩む。
この自分自身でさえ、自分のものでないというのに、どうして子供が自分のものだなんて言える、ましてやどうしてそれらが自分の財産だなんて言える。

もし愚かな人が自分は愚かだなと気付いたら、その人はもう賢い人である。
愚かな人であるにも関わらず、自分は賢いと言ってしまう人こそが愚かなのである。

愚かな人が長い時間をかけて賢い人に付き従っても、真理を学ぶことはない。
スプーンに蜜を垂らしても味が分かることはないように。

逆に賢い人はたとえ一瞬の間にでも真理を学び取ることができる。
舌に蜜を垂らせばすぐに味を感じとるように。

愚かな人は自分自身に対して、まるで敵にしているかのように悪を施す。自己を律せず欲のままに行動してしまい、苦い実をつける。

もしも自分を振り返り、涙し後悔してその報いを受けているなら、やってしまったことは善くないことだったんだろう。
もしも自分を振り返り、嬉しく笑顔でその報いを迎えられたなら、やったことは善いことだったんだろう。

悪いことをしても、その報いがすぐに返ってくることはない。それは灰に覆われた火のようにじわじわと燃え広がり、愚かな人を悩ませる。

愚かな人は身にそぐわぬ尊敬を得ようと願う。欲のままに傲慢になってしまう。

目の前には二つの道がある。
一方は利益を得られる道。もう一方は安らぎへの道。

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