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師走とおNEWな私|ひかり

12月に入り、ようやく冬らしさがやってきた。
冷たい風が吹くごとに、暮らしに冬の相棒が続々と登場し始めている。

慌ただしい夜の相棒、鍋料理とはようやく会えたねと再会の握手を交わし、気温の変化と共にすかさず変えた、もこもこシーツに包まれた時の幸せには、言葉にならないため息が出た。

家の外では、霜が降りはじめた草花が朝日に照らされ、きらきらに光っているし、近くに大きな川が流れているため、ぐんと冷え込んだ夜の翌朝は街全体を覆う濃い霧がたちこめることもあり、景色の変化からも季節が移行したことを知らされる日々である。

年の瀬へ向けて進む時間の中で、なるべくいつも通りに過ごしたいと思いながらも、街に流れる特別な雰囲気を横目に感じている、そんな12月は自分の誕生月でもある。
暦の上では一年の終わりだけれど、誕生日を迎える私にとっては始まりの月でもある。

ちょうど先日、私より年上の方と歳を重ねることについて、「歳を経るににつれてわかることが増えてきて、できないことが多かった若い頃より、楽になってきたよね。今の自分で20代前半に戻れたらな〜」なんて冗談半分に話していた。
けれども、それはもう楽しかろうと想像しても、あの時苦しかったり悩んだりした自分がいなかったら、今の私たちもいないのだとも話した。

好きな作家さんが対談で歳を重ねることについて語っていた時にも、40代になってやれることがどんどん増えてきてとても楽しいと仰っていて、それに対して対談相手の方が60代はもっと楽しいですよと返していた。

今の私がやれないことを、できるようにしていくプロセスが歳を重ねることだとすると、毎日新しい自分を更新していっていて、誕生日は「おNEWな私」を箱から出す気持ちで、まだまだ勉強することはたくさんあるけれど、誕生日を迎えることが年々嬉しくなっていっている。

自分の不甲斐なさに落ち込んだりするけれど、いつかの自分がありがとう!と言ってくれるように、今の私は出来るようになることに全力を注いでいかなければいけないと、12月のバトンを受け取り、エッセイを書いて改めて考えることができた。

楽しむことを忘れずに、最新を重ねていきたい。

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HAKKOU(はっこう)/リレーエッセイ
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