かっこ悪い日常を手に入れた
小学生の時、平凡なうちの家族が嫌だった。
思い切って組んだローンで手に入れた
駅から遠すぎるマイホームから
ぎゅうぎゅうの電車で一時間半以上かけて
通勤する会社員の父。
パートに行くこともあったけれど
基本的には家にいて、
ご飯を作ったり掃除をしたりしている
専業主婦の母。
お金持ちでも貧乏でもなく、
父がアル中で暴力を奮ったり、
母が若い男性と出ていったきり帰らないなんてこともない
平凡な我が家。
平日は、ご飯を食べ、学校へ行き、宿題をして、
公園や友達の家で遊び、
土日は、父の車で海や山やアスレチックに行った。
どこから見ても幸せな家庭だけれど、
それは本と漫画が大好きな私にとって、
少々かっこ悪い日常だった。
うちの家には、物語が無い、と感じていた。
記事が気に入ったら、シェアやいいねをしてもらえると嬉しいです。