まだPVで消耗してるの?
先日、編集者さんとお話ししている時に「ウェブでのPV争いに疲れちゃったんです」という話をしたら「伊藤さんが書くものが変わってきたって思っていたんです」というセリフが返ってきて「ああ、もうなんか、周りにもそういうのって伝わるんだなあ」としみじみ思った。
ウェブで注目を浴びるのは、意外と簡単で、極端な提案をしてみたり、言葉遣いを挑発的にしてみたり、セクシー要素をちら見せさせたり。
なんとなく、コツとかパターンがあって、それを使えば割とバズる記事って書けるんだなっていうのを知ってしまった。
知ってるとそっちの方法に走ってしまいがちだけど、それって、私の中ではちょっとずるいことをしている感もあって。「カンニングしたからテスト満点」みたいな気持ち悪さ。
カンニングがリスクをともなうようにウェブでバズを頻発するのにはパワーが必要で、大なり小なり自分が傷つく覚悟もいる。タイトルだけでRTされていく文章は、誤解も招くし、全体像ではなく部分的に評価され、誰かの頭に、私とは違う私が出来ていく。
テクニックに頼らずにバズるには、深く深く自分を掘る作業が必要なのだけれど達成感を感じられるほどに自分と向き合った記事がお下品な方向の生々しいセクシー記事にPVで負けているのをみると「これに負けるのかよ」っていう脱力感を感じてしまう。
そりゃそういうのがウケるのもわかるけど、私が心を裏返して、血を流すようにして書いた記事とピンクサイトの広告みたいな記事が同じランキングに入っていると自分の存在まで軽くなった感じがして、やるせない。
「私が頑張って建てたお城に、ピンクチラシを貼らないで欲しい」
そう思った私は、お城の周りに高い壁をつくって、その壁をのぼってまで私のことを気にかけてくれる人にだけ、お城を公開するようになりました。
それがこの月刊はあちゅうのイメージ。
自分への言い訳も混じっているのかもしれないけれど、今は、PVにとらわれずに書きたいことを書いて、それでも私、誰かに必要とされる存在でいられるかを実験しているというか、ちょっと消耗してきた自分自身の回復も兼ねて、書き方を気にし過ぎずに書きたいことを書いてみて、自分の方向を探っている感じ。
(※この話は、もう少し揉んでまたどこかしらに書いてみるかもしれません)
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