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それでもあなたについていく

真実はひとつではなく、事実に関わる人の数だけ真実がある。でも、経験が深い人ほどつい自分側の真実に相手を誘導してしまう…今回はそんな話。

皆さん、こんにちは。
じゅんじ@目指せ!50歳からのキャリアコンサルタント です。キャリコンとIT企業マネージャーの二刀流目指して自己研鑽の日々です。

探偵1

「真実はいつもひとつだけ!」と、ある国民的探偵マンガでは言ってた気がします。

それなのに「事実に関わる人の数だけ真実がある」とは、一体どういうことでしょうか?

決して国民的マンガを非難する記事ではないのでご安心ください(笑)

■事実と真実の違い

■事実
AさんはB部長にある企画の説明をしていたが、時間が無いと言って途中で打ち切ってしまった。

■Aさんの真実
自分は丁寧に説明するのが長所だと思って話しているのに、せっかちなB部長は最後まで話を聞いてくれなかった。

■B部長の真実
決裁するためのポイントを説明してほしいのに、A君はダラダラと説明して、時間が無くなってしまった。

同じ出来事(事実)でもAさんとB部長はそれぞれの解釈が入るため、違った出来事(真実)となるのです。

真実は主観的であるため、事実に関わる人の数だけ真実が出来てしまうんですね。

■解決思考のワナ

キャリア面談では相談者とお話を重ねながら、相談者の真の問題点を把握していくことを試みます。

しかしながら、問題の解決を急ぐあまり自分側の真実で問題点を考えてしまうことがあります。

経験豊富で解決思考が強い方は特にこのワナにはまりがちです。

私も先日、面談のロールプレイング(※)をした際にこのワナにはまってしまいました。。。

(※)面談のロールプレイング
一方がキャリコン役、一方が相談者役となって行う模擬面談のこと

冒頭の例はロールプレイングで私が相談者から受けた相談内容の一部だったのです。私はこのように話を進めていきました。

■相談者の問題点の考察
クライアントは自身の長所(丁寧に説明すること)にこだわりすぎる余り、相手の状況や立場を考えられていない。

■相談者に提案した内容
相手の性格や傾向を予め分析しておき、その人に適した形で説明するように工夫しましょう。

相談者に納得してもらうために、このような話もしました。

■私:
仮にAさんがB部長の立場になって考えてみてください。時間が無いところに1から10まで説明されたらどう思いますかね?

■相談者:
…要点だけ説明してもらえないかな。って思います。

■私:
そうですよね。ではこの辺から修正していきませんか?

ロールプレイング終了後、相談者役からフィードバックはこのようなものでした。

B部長側に誘導しようとしてましたよね?
このようなことは上司から何度も言われたことがある。私は自身の長所を生かしたいと思って相談しているので、そこを尊重してほしかった。

「アイタタタ・・・やってしまったー!」

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■それでもあなたについていく

私は限られた時間の中で解決することを意識するあまり、B部長側の真実の方が正しいと思い話を進めてしまったようです。

ロールプレイングだったからよかったけど、本当の相談者さんだったらもう二度と来てもらえないだろうなあと、本当に反省です(汗)。

今回のケースであれば、B部長側の真実の方が好ましいと思っている自分を認識した上で、

「それでもあなたについていく!」

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という気概で相談者側の真実に寄り添い、伴走していく必要があるのだと今回学ばせていただきました。

このような態度をカウンセリングの世界では、

「受容」「共感」「自己一致」

と言います。

「私の長所は親身になって話を聞くことです」と言っている上司や先輩の皆さん、「受容」「共感」「自己一致」を忘れないようにしましょう。

■おまけ

ある国民的探偵マンガで「真実はいつもひとつだけ!」と言っていることが気になっていたので自分なりに考えてみました。

探偵2

ある事実(ここでは事件)に関して、真犯人や関係者は色々嘘をついたり、隠したりします。

しかし結局はその事実に対する各人の真実はひとつだけであることがわかります。

だから、国民的探偵は「真実はいつもひとつだけ!」と言っているのではないでしょうか? お後がよろしいようで。ではまた! 

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