あの頃の自分に言いたいこと。残念ながら…【キャリコンサロン編集部】
静かにお詫びの言葉を伝えた後、
ゆっくりと頭を下げる。
その角度は45度以上、90度未満。
3秒経過したら焦らずにゆっくりと頭を上げる。
そして節目がちに相手の顔を見てみよう。
一体何をしているのかといいますと…
見てわかると思いますが、私は
「謝罪(しゃざい)」
をしているのです。
先日、お客様にご迷惑をおかけした事象が発生し、その顛末の報告も兼ねてお詫びに行ったのです。
対面での謝罪は本当に久しぶりでちょっと不安でしたが、何とかやり切ることが出来ました。
しかしながら、何度やってもこのようなシチュエーションはやはり気持ちの良いものではありません。
というのも、我々の不始末を怒られるだけなら良いのですが、お客様の課題も浮き彫りにしてしまうケースもよくあるのです。
そうなると我々だけでなく、お客さまの担当者も一緒に怒られてしまう。
「本当に悪いことしたな~」
と非常にバツの悪さを感じてしまうのです…
とは言え、マネージャーになってこのような場面を数多く経験したお陰でずいぶんと場慣れしたもんです。
謝罪をする機会をもらえるというのは、部下から
「ちゃんと謝ってもらえる人」
と信頼されている証拠だ。
なんて考えられるほど成長した自分にちょっと驚いてしまいます。
そこで、今週のキャリコンサロン編集部からのお題である「あの頃の自分に伝えたいこと」につながる訳ですが、
あの頃の自分にこれは伝えておきたい。
南の島で女性達に囲まれて浮かれている24年前のじゅんじさん!
残念ながら…
アナタはこれからマネージャーになって「非常にたくさん謝る」ことになります。
製品の不具合、作業ミス、プロジェクトの遅延など、様々な理由で謝罪します。
日本で謝るのじゃ物足りなくなったのか、ついには「世界一周謝罪ツアー 」まですることになるのです。
自分が直接その原因を作った訳でもなく、ただ「管理不行届」という名のもとに謝罪することもあり、納得いかないこともあるかもしれません。
でもこれらの状況から決して逃げないでいただきたいのです。
なぜなら、これらの謝罪経験を通してアナタは多くのことを学び、困難な状況にも冷静に対応できる力を身につけるからです。
でもやっぱり怒られるのは辛いですよね?
そんなアナタに謝罪の辛さを和らげるTipsを授けましょう。それは、
「役割性格(やくわりせいかく)」
という考え方です。
この考えは、現在置かれている状況下において
・自分のありたい姿
・自分がとるべき行動
を具体化して、あたかも俳優のように「その姿・行動を演じる」というものです。
これは主にスポーツ心理学で活用されている考え方で、競技パフォーマンスを最大化するために多くのアスリートが活用しているそうです。
この考え方を知ったのは、アスリートのセカンドキャリア支援の講習に参加した時のことです。
講習の中でサッカーJ2チームである水戸ホーリーホックがこの考え方を取り入れている事例が紹介されていたのです。
さて24年前のワタシにやってほしいことは、マネージャーになった時に、
・マネージャーのあるべき姿
・マネージャーとして取るべき行動
を徹底的に具体化してほしいのです。もちろんその中には「謝罪」に関する内容も含めてください。
そしてその具体化した「姿・行動」を徹底的に演じてください。
初めはぎこちないかもしれませんが、何度も意識して演じていれば上手になります。
そう、アナタは「俳優」になるのです!
私はマネージャーになる前は目の前にある仕事をひたすらこなすことで達成感を得ていました。
しかしながら、マネージャーになり「管理不行届」という名目で多くの人から怒られ、謝罪する日々が続くことでやりがいを無くしていきます。
自分でコントロールできること、できないこともわかっていませんでした。
そして、自分ではどうしようも出来ないことにも気持ちを揺さぶられてしまうこともよくありました。
でも「役割性格」を実践すれば、
「謝罪も理想に近づくための行動のひとつ」
と割り切ってできるようになり、謝罪の辛さはだいぶ和らぐと思います。
また、自分でコントロールできることだけに集中するようになり、仕事のパフォーマンスも格段にアップするはずです。
ぜひ実践してみてくださいね。
「役割性格」の効果については理解できたけど、
・自分のありたい姿
・自分がとるべき行動
をどうやって考えればいいかって?
そうですね~。
自分の職場だけだと世界が狭いと思うので、ぜひ職場外の人達とも積極的にコミュニケーションを取ってみてください。
きっとアナタの参考になるような素晴らしい人達といっぱい出会えると思います。
私はそのことに気づくのにちょっと時間がかかってしまったけど、今から実践していけばとてもステキな職業生活が送れると思いますよ。
私から24年前の自分に伝えたいことは以上です。
ではまた!
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