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ライトノベルの賞に応募する

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⭐︎現在(36完結)まで⭐︎ ライトノベルの賞に初めて応募する為に書きました。 ラノベの定義もわからず、小学校高学年から若い層に向けたもの、という事なので、主人公を小学五年生の男の子…
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ライトノベルの賞に応募する(15)

ライトノベルの賞に応募する(15)

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玄関の鍵は想像通り開いていた。父親の部屋のドアも、祖母の部屋のドアも開けっ放しだ。玄関には溢れんばかりの靴が脱ぎ捨てられている。僕はリビングのドアを開けた。奥には3人の警察官に取り囲まれた父親が床にへたり込んでいる。リビングの椅子には祖母が女性警官を前に座っていた。二階からミワの泣く声がする。部屋の中は何もかもがぐちゃぐちゃだ。
扉を開けた僕に警官が気が付く。父親を囲んで

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ライトノベルの賞に応募する(18)

ライトノベルの賞に応募する(18)

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着いたのは不思議な建物だった。普通の人が住む家よりはずっと大きく、ビルというには小さい。表札も、なんの看板も立ってなかった。入口の前に、重そうな引く形の門がある。学校の門を小さくしたみたいだった。車に乗せられてどのくらい走っただろう。一時間は経ったんじゃないかと思う。時間の感覚があまりない。イレギュラーなことが起きると、時間はこんな風に過ぎていくのか…。ミワは僕の膝に頭を

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ライトノベルの賞に応募する(20)

ライトノベルの賞に応募する(20)

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 3人にお風呂に入るように促された。使った食器を洗おうとしたら、それも止められた。「明日から一緒にしましょう。今日はもう夜遅いから、こっちで洗って置く」と言われた。
2階の部屋に戻ると、高梨さんがミワのベットに寄り添うように、床に腰を下ろしていた。
「よく眠ってるよ。」
小さな声でそう言った。
「交代するね。」
パジャマと下着とバスタオルを僕に渡し、荒井さんが言った。
高梨さんが

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ライトノベルの賞に応募する(23)

ライトノベルの賞に応募する(23)

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 僕と成田さんが部屋を出ると、掃除の時間はもう終わっていた。庭でスポーツをする時間ということなので、入って来た入口とは違う、庭への出口へ靴を持って移動し、そこから外に出た。自由に玄関から一人で出かけることもいけないことだと言われた。僕の安全を守るためということらしいが、入って来た時には感じなかった玄関の扉が、ずっと重そうに見えた。僕の後ろで「ガチャッ」と大きな音を立てていたのを

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