「ダイナミック・ケイパビリティ」-1人から30人BizOps組織へ- 大事にした価値観を紹介してみる
皆様に価値ある記事を提供することに尽力しますね。ただ長文となっていること誠に申し訳ございません…。
自己紹介
私の経歴と現職について紹介させていただきます。私は、東証プライムに上場している子会社のチーフデータデジタルオフィサー(CDO)を務めると同時に、法人番号株式会社の代表取締役も担っています。
この記事では、これまでの経験を踏まえ、ビジネス・オペレーションズ(BizOps)の組織に関する考察を展開します。具体的には、「BizOpsの組織はどうあるべきか」という問いに焦点を当てます。
私の起業経歴は、2018年に6人でのスタートから始まり、現在は150名の社員を擁する企業を運営しています。また、2021年にはデジタルトランスフォーメーション(DX)チームを立ち上げ、現在約30名の部門を率いています。
今年はDX部門におけるマネジメントから一部離れ、戦略策定に専念しています。部下との対話を通じてコミュニケーションも図っています。その他、CX部門(顧客体験部)の設立や、新規事業の開発にも携わっています。
「…え?150名にBizOpsの役割、30名って多くね?せいぜい1-2名でしょ」
と思った方、素敵な着眼点です。
それは後半で明らかになります。乞うご期待。
色々ありました。
・コアコンピタンスに基づいた組織急拡大、支える体制づくり。
・そしてHR業界に大打撃を与えた「コロナ」。
・ただその後、売上・利益ともにをV字回復します。(詳細はIRご参照)
この時、私が重視したのは「ダイナミック・ケイパビリティ」という価値観です。これはV字回復への貢献に大きく影響しました。BizOpsが大きな組織となる際に、非常に大事な価値観となると思います。
「BizOps」が大事な現在と未来
BizOpsは、今日の企業運営において欠かせません。ただし2019年時点では、まだ浸透していない単語でした。(私も知らなかった)
デジタル化の急速な進展に伴い、多数の便利なツールが登場しました。
しかし、これらのツールを効果的に活用する人材が不可欠となっています。特に、ビジネス側に焦点を当てたオペレーションスキルを持つ人材を「BizOps)」と呼ぶことがあります。
BizOpsは組織の成長と進化において中核的な役割を担うと信じています。これは単なる効率化を超え、革新的な思考と戦略的決定を促進します。
Ops人材は、組織の成長を支える重要な要素です。これは、多くの方々も感じている点ではないでしょうか。これからもこの流れは加速するでしょう。
BizOpsに必要なスキルに関しては、他の専門家によって既に詳細に紹介されています。したがって、この記事では主に組織とその中長期的な思考に焦点を当ててご紹介します。
じゃあ、経営的には「Opsどういう役割」なんでしょう。
「コアコンピタンス」、「ダイナミックケイパビリティ」
まずは役割を整理するために、2つの概念をご紹介します。
「コアコンピタンス」とは?
コアコンピタンスが生きる、とは、組織が持つこれら情報を市場と非常に相性が良く組み合わせられている状態です。
つまり「中核的な強みがある」状態です。
今回のBizOpsのアドベントカレンダーに参加される方はコアコンピタンスが市場と非常にマッチしている状態の方が多そうです。
そうです、これがうまくいってる時、企業は急拡大して行きます。
詳細は、ゲイリー・ハメル氏とC.K.プラハード氏の著書、「コア・コンピタンス経営」をご覧ください。経営学における歴史的名著の一つです。
「ダイナミックケイパビリティ」とは?
私たちの企業が有するノウハウ、知識、経験は、必ずしも永遠に市場で受け入れられるわけではありません。さらに言えば、これらはいずれ陳腐化する運命にあります。どのようにコアを磨き続けることができるか。
より詳しく知りたい方は、デビッド・J・ティース氏のダイナミック・ケイパビリティ戦略をご参照ください。
「コアコンピタンス」とBizOpsについて
コアコンピタンスは、組織の中核的な能力を基にして、市場に受け入れられるような運営を行うことです。これには、プロダクト、人材の能力、サービスの提供、知名度など、さまざまな要素が関わります。
BizOpsは、これらの中核的能力を磨き、育成する役割を持ちます。私たちの経験では、創業直後に非常に速い速度で成長することがありました。これは組織の能力よりも、プロダクトが市場に適合し、広く受け入れられた結果です。
私たちは、急速な成長に合わせて組織を構築する経験をしました。(ちなみに現在、弊社累計利用社数は7000社超)プロダクトが市場で受け入れられること、そしてそれを支える社内のメンバーや組織の安定化に、BizOpsは大きく貢献しています。
マーケ・セールス・CS・経理・プロダクトなどなど…これらすべてにBizOpsが変わるといっていいでしょう
(執筆者は一人で関わりました、大変だった…)
つまり、コアコンピタンス経営に則ると、
「コアを支える全ての部署の潤滑油や彼らにとっての武器となる存在がBizOps」といえるでしょう。
「ダイナミックケイパビリティ」とBizOpsについて
BizOpsは通常、組織のコアコンピタンスの強化に焦点を当てています。しかし、市場環境が大きく変わると、これらの戦略を見直す必要が出てきます。
一気に変わるコロナ禍。
多くの企業にとって大きな挑戦でしたよね。
私が関わるHR会社も例外ではなく、この期間は特に困難でした。私たちは、様々な課題を乗り越えながら、コア能力を再評価し、変化する状況に適応する方法を模索しました。
実を言うとOpsに該当するチームを立ち上げたのはこのタイミング。
(え、もっと前だと思った。意外。とよく言われます)
通常、組織は既存のコアコンピタンスが市場に受け入れられている状態を維持し、その成功を支える挑戦に直面しています。しかし、時には、私たちが持つ「コア」とは何かを根本から再考する必要が生じました。
市場や環境の変化は、組織にとってコア能力の再評価を促します。この過程は、自己反省と戦略の見直しが必要であり、単に既存の成功を支えることではなく、本質的に「我々は何者なのか」を問い直すことを意味します。
正直この時期は一番悩みました。
そんな時、私はダイナミックケイパビリティという概念に出会います。
…本当に感動しました。
ダイナミックケイパビリティとは「企業が変化する環境に対応して自身を変える能力」を指します。
そして、そうか「コアを使いこなす能力自体も”コアたりうる”」と。気が付きます。
つまり、BizOps自体が組織の中核的価値(コア)となります。
そしてそれ自体がサービスとなる段階に入ります。
この変革で、組織の急速な拡大を促します。
「データ」がサービス化し、「リソース」もサービス化する。すごくいい好循環が生まれていきます。
そうなんです。経営で見たときにBizOps自体がサービスとなっていきます。
企業から見たときに組織の強みを再編し、それ自体がコアとなるものがBiz Opsだと思っています。(だから30人規模の組織になっていく)
より具体論を話したいですが、今回のブログでは時間の都合上、ここまでにします。しかし、この話はここですべて終わりではありません。
今後の機会に、いつか私のメンバー達から、もっと深く掘り下げてもらうと思います。その際にぜひ話を聞いていただければと思います。
まとめ
今回、私の経験と感じたことを可能な限り率直にお伝えしました。BizOpsとは、皆さんにとってどのような意味を持つのでしょうか。
私にとって、BizOpsとは
組織の潤滑油であり、強力な武器であり、何よりもコアの構成要素です。
私の話が、皆さんのビジネスや組織運営において、何らかの参考になれば幸いです。皆さんのBizOpsに関する考えや経験を聞かせていただける日を楽しみにしています。
今回BizOpsアドカレにご招待頂きありがとうございましたー人ー