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 釣りエッセイ「魚とのフェアな戦い」

餌でだまし討ちする魚釣りはフェアな戦いとは言えないのではないか?  

いつか魚とフェアに戦いたい。長年、魚釣りをしながら抱いていた思いだ。 

その思いを実現するため、今年の夏は以前から興味のあった鮎釣りに挑戦する。

一般的な魚釣りは釣り針に餌を付けて魚に喰わせて釣り上げる方法をもちいるが、鮎釣りは餌を使わない「友釣り」を行う。

友釣りとはなわばり意識の強い鮎の習性を利用する釣りで、竿から伸びた釣り糸の先に事前に用意した生きた鮎を取り付け、リードを付けた犬の散歩のように水中を泳がせる釣りである。

犬の散歩のように泳がせる鮎をおとり鮎と呼ぶが、そのおとり鮎には別の鮎を釣るための釣り針を取り付け後方に向けて流す。あとはおとり鮎を釣り竿で巧みに操り、自然の川を泳ぐ鮎のなわばりに差し向ければ、なわばりを守るために攻撃してきた鮎がおとり鮎に取り付けた釣り針に掛かって釣り上げることができる。  

餌を使った釣りは、「餌を安全な食べ物と誤認させて喰わせて釣り上げる」という「錯覚」を使った釣りであるのに対し、友釣りは「対象魚にライバルを差し向け争わせて釣り上げる」という「闘争心」を使った釣りである。

餌でだまし討ちするのではなく、自分自身の分身である「おとり鮎」を使い釣り上げる友釣り。これは、正々堂々とフェアな戦いと呼べるのではないだろうか?

それを確かめるため、川に出掛けたいと思う。

だが、その前に妻の許可を取るという別の戦いが必要となる。誰か、おとり鮎の代わりに戦ってはくれないだろうか。


【コメント】
TR科目の「ことばと表現」の事前課題で提出したレポートになります。

改行以外は手を入れていません。文字数制限は600字程度です。

600字程度でオチまでつけるのは、なかなか難しいですね。無理やりキレイにまとめたのが先生にはバレてたようですが、「それも良し」という感じの評価でした。

エッセイなのか何なのかわからない文章ですが、点数は良かったので、ことばの使い方や表現方法については及第点だったものと思われます。

あいかわらず魚の話ばかりを書いていますが、写真は生まれて初めて釣った鮎の写真になります。

釣りながら写真を撮るのって難しいんですよ。下手したら逃がしちゃいますからね。

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