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仲間を思いやり、安全を継続しませんか?

世の中は不寛容になりつつある。

子供が公園で遊んでいるとうるさいと怒られる。
電車にベビーカーで乗ってくると嫌な顔をする。
困っている人に話しかけられても無視をする。
優先席を譲ろうとしない。

昔からあったことかもしれないがSNSの発達で可視化されてきたのは事実である。私自身が子を持つ親になったから敏感になったのかもしれない。

子供と一緒にいると優しくしてくれる方もいれば、少しでもうるさくしていると嫌な顔をする方もいる。

企業は少数派の声の大きいクレーマーに対応せざるを得ない。随分と生きずらい世の中になったと感じることがある。

ちょっとした声がけや気遣いがあればそのような軋轢は起きないのだが人は人に無関心になりつつある。

声を掛け合うことがない職場は果たして安全な職場なのだろうか?

与えられた仕事をルール通りにこなしていれば何も問題ないのだろうか?

自分の所属している環境から考えていきたい。

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私は製造業に従事しております。所謂JTC(Japanese Traditional Company)で働いています。

製造業の第一線で働いていらっしゃる現場の方々は日々の安全安定操業に気を使っておりますが、時には危険な作業を行うことがあります。

SA(セーフティアセスメント)を行う。作業手順書を作成する。職制の承認を得る。作業前にKY(危険予知)シートを書く。必要な保護具を着用する。

こう書いていると煩わしさを感じられた方が多いのではないでしょうか?

JTC特有のルールが複雑で承認プロセスが長い。念のために確認する関所が多いのは事実である。

一度でも事故が起きたら再発防止対策を講じて水平展開を全社で行い、厳しいルールが追加される。事故が起きた職場とは環境が異なることはお構いなしである。

ではルールを決めなくて自由な組織にすることがいいのか?

もちろん答えはNoである。

ルールがないと無法地帯となり、事故が起きるリスクが高まるばかりである。

現場の個人の判断に任せる。事故が起きてから対策を考える。場当たりな対応ではなく皆が守るべきルールを決めておく必要があります。

過去の失敗から学び、二度と起こさないようにするためにルールを制定する。安全な職場を維持するためには必要な事である。


「安全のためにルールを順守しましょう。安全は何より大切なのだから」

このセリフは時には呪いの言葉となります。

もしこの確認を怠ってトラブルが起きたらどうするのだ?という話になったら誰も反論できない。それならルールを厳しくしておこう。

ルールを守れば安全である。だからルールは絶対に守ってください。

これでは考える力なんて奪われていく一方だ。

過去の事故を教訓とし、設備対策やルールを整備して日々のトラブルは少なくなっている。

ルールで決めたマニュアル通りに日々の仕事をこなしていれば問題なく過ごすことが出来ると信じている。


そんなマニュアル人間が過去の先人たちの話を聞くと卒倒しそうなエピソードは多い。

ちょっとした怪我なんて赤チンぬれば治るから問題ない。失敗して痛い思いをして学ぶということが当たり前の時代。

痛い思いをすると人は考えます。次に同じ失敗をしないために何に気を付けなければならないのか?どういう手順で作業をすれば安全に行うことが出来るのか?

保護具や手順書だって今ほど充実していないけど安全に作業を行う。

今目の前で起きている現実に向き合い、マニュアルに書かれていなかったとしても臨機対応に行動する。必要ならば一旦作業を止めて仕切り直す。


安全第一でゼロ災を達成するためによく見てよく考える。

現場にいるプロは当事者意識を持って行動している。


誰かに言われたことをただ守るのではなく、主体的にマニュアルを守る。

主体的に行動しているから求められている品質の製品を生産するために必要な行動を起こしています。何が本当に必要なのかを常に考えているから。

一人一人が自立した行動をしていくことで事故のない職場を作り上げる。ただし、製造現場は一人で仕事を行うものではありません。チーム一丸となり、安全第一で決められた品質の製品を納期通りに作り上げることが必要となります。


チーム一丸となって取り組むに際して必要なことは何か?


相手を思いやる心です。

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トラブルを起こしたり事業が厳しい製造部門の空気は悪くなりがちです。

肩身の狭いを想いをしながら日々の業務を行う。後ろ向きに仕事をしているといい結果も出てこない。

そういう状況下で私の大先輩が課長をされていたのですがその方は朝早く出社されて現場のパトロールに行き、掃除を欠かさず行っておりました。

工事会社の方とすれ違う際には「ご安全に!」と大きな声で挨拶され、社員たちへ体調は問題ないか?と声がけを行い、本当に熱い方でした。

現場の方は製造課長を疎ましく思うことが多いのですが、その課長はみんなに好かれていました。

好かれていた理由は明白で周りへの気遣いを欠かさなかったからです。

課長自らが率先して人が嫌がる仕事を行い、周りを鼓舞する姿には心惹かれるものです。

この人の力になりたい、この人のために働きたい。上に立つ人間がリーダーシップを発揮していると周りも能動的になってきます。


今まで出来なかった意見が言えるようになる。お互いに意見し合ってそれを受け入れることが出来る。

悪い情報を挙げてきてくれたことに感謝し、情報共有を行って優先順位を付けて改善していく。

周りの同僚が忙しければサポートを行う。

仲間に対する働きかけや思いやりを持つことを忘れてはいけません。ゼロ災を継続するために「愛ある助言」を行っていく。

人と人とが一緒になって働いていくために必要なことを忘れてはいけません。

その思いやりが安全な職場に繋がるのだから。

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テクノロジーが発達して世の中は便利になりました。

コミュニケーションもオンラインで行うことが容易となり、ちょっとした用事はメールやチャットですぐに解決できるし、ZOOMを使えば顔を見ながら話すことも出来る。

そんな便利な世の中になったからこそ失われているものがあります。


直接会って話をすることが億劫になっていませんか?

顔と顔を合わせてコミュニケーションを取り、言いにくいことをお互い出し合う。時には軋轢が生まれるけどじっくりと話し合って解決策を共に考える。

相手が忙しそうにしているのに声をかけるのを避けていませんか?

忙しそうにしているときに声を掛けると怒られるかもしれないと臆病にならずに思い切って力になりますと言ってみる。

この仕事は自分の仕事じゃないと思って知らんぷりしていませんか?

少しでもサポート出来ることはあると信じて自分の仕事として手を挙げてみる。


知らぬ間に作ってしまった心の壁を壊して相手の事を想いやり、恐れず意見をしてぶつかっていきましょう。


自分の所属している組織に誇りを持って当事者意識を持って日々の仕事に真摯に取り組んでいくことが大切です。

組織に周りへの配慮が浸透していけば働きやすい職場となり、結果として利益が上がっていきます。


無関心を今すぐ止めて周りをよく見渡してください。今まで見えなかった困っている人に気づくことが出来ます。

見かけたら恥ずかしがらずに声を掛けてみましょう。

ほんの少しだけ勇気を振り絞って変化を起こしていきましょう。


安全で働きやすい職場が利益を最大限にすると信じて。


今回もお読みいただきまして誠にありがとうございます。段々と寒くなってきたので紅葉が見られる時期になってきました。晴れた日はゆっくりと散歩して秋を楽しんでいきましょう。また、体調を崩さないように日々の体調管理にはくれぐれもお気をつけてお過ごしください。


以上、ご安全に!


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