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コンクリートのすき間から生えた大根の話がみんなスキ

喧騒な都会。誰もが慌ただしくて、人に構う余裕もない。殺伐としたコンクリートの隙間から、誰にも気づかれることなく生えた大根。

誰かがSNSにアップすると、たちまちバズる。そのうち夕方のニュースで放送されるんだ。

なんだかほっこりしますねってキャスターは言う。みんな、そんな話がスキだよね。

コンビニの帰り道に中学生の男女を見かけた。二人は車通の少ない、滑り台しかないような小さな公園で話をせずに本を読んていた。

何をするわけでもない。手をつなぐことも、見め合うことも、おしゃべりをすることもない。夕暮れの赤い色の中、二人はただひたすらに読書に勤しむ。

これはきっと物語のはじまり。

中学生の二人は、このあと付き合うかもしれないし、付き合わないかもしれない。どちらにせよ、今日という日は、きっと青春の1ページとして、二人の心のなかに残る。純粋な記憶。

そんなピュアな気持ちは、いつの頃からか消えてしまった。コンクリートの大根にも、ただ隣にいるだけの中学生たちも、何も感じない。

虚しい。何にでも感動できていたあの頃は、美しかった。その時は気づいてなかったけれど、とても輝いていたんだ。

こんなはずしゃなかった。それでも、もう戻れない。それは、ゆっくりと泥沼に沈んでいくような感覚。身体を浸食する病原体のように、じわじわと身体の内部を侵す。

そんな時は、星空を眺めるんだ。夜空に輝く星は道しるべ。星は儚い。目の前にあるモノは、実は何億年も前の輝き。今は消滅して、実在していない可能性すらある。

小さな個人の想いなど、壮大なる宇宙に比べればちっぽけなもの。だから気にするなって?それは無理だ。

そんな事をしても、この虚しさや苦しさは消えない。

だからこそ、言う。コンクリートの大根にも、中学生のピュアな恋愛にも興味を示さなくていい。心が鈍った原因は、積み重なった知識と経験。

そう、生きてきた証なんだ。誇らしくあれ。

#66ライラン


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追記≪2024/04/18≫更新途切れました。無念。

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星トラ子
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