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ひまわり
10時頃に目を覚ました。
頭痛が、昨日最後に飲んだハイボールに含まれていたアルコールを、過剰量として表現していた。
11時ごろ、尿意に耐えかねて、起き上がる。
流しに置いてあったグラスをいい加減に濯いでから、水道水を2杯ほど飲み込んだ。
ケトルに湯を沸かしている間に、軽くシャワーを浴びる。
髪も乾かさずに、カップラーメンを食べる。
腹も満たされ、気分もいくらかスッキリしたところで、作業用のちゃぶ台に向かい、鉛筆を走らせた。
卓上の隅には、小さいひまわりの一輪挿しが座している。
メラメラとした舌状花。
一枚一枚を見れば、萎びているようにも見えるが、全体としてみれば燃えているような印象だった。
しかし、そのくすんだオレンジは、熱を感じさせはしない。
その燃焼からは、熱と光ではなく、問いと困惑が発されていた。
問いが、また燃焼を引き起こし、副産物として困惑を生み出し続ける。
燃え尽きてくず折れる前に、その姿を描き写さんとして、ひたすらに鉛筆を走らせた。
2時間ほどして、納得がいくスケッチができた。
着色をしようと、絵の具の準備を始めたところで、玄関のドアが開いて閉まる音がした。