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2025-02-07 米国金融市場動向
ChatGPTが示した今日の相場格言
「強気相場は悲観の中に生まれ、懐疑の中で育ち、楽観の中で成熟し、幸福感の中で消えていく。」(ジョン・テンプルトン)
この格言が相応しい理由
今回の米国株式市場は、インフレ懸念の高まり、トランプ前大統領の貿易戦争の懸念、予想を下回る雇用統計といった要因が重なり、市場に不安が広がっています。その結果、主要指数は大きく下落し、投資家心理も悪化しています。
この状況は、まさにテンプルトンの格言が示す「悲観の中」にある局面の一例と言えます。歴史的に見ても、市場が大きく下落し、多くの投資家が悲観に陥るときこそ、将来的な強気相場の始まりとなることが多いです。
もちろん、今すぐ反発するとは限りませんが、市場が「懐疑の中」で調整しながら回復する可能性もあります。そのため、冷静に状況を見極めながら、中長期的な視点で市場を判断することが重要です。
総括
米国株式市場は、トランプ前大統領の関税発言やインフレ懸念の高まり、予想を下回る雇用統計を受けて大幅に下落。ダウは444ドル安、S&P500とナスダックも1%以上の下落となった。FRBの利下げ観測が後退し、10年債利回りは4.49%に上昇。市場の不安心理を示すVIX指数も急上昇し、投資家の警戒感が強まった。
1. 株式市場
1.1 概況
ダウ: 444ドル(0.99%)下落し、44,303.40ドルで終了
S&P500: 1.0%下落(57.63ポイント安)で6,025.94
ナスダック: 1.35%下落(268.59ポイント安)で19,523.40
市場はトランプ前大統領の「相互関税」発言を受けて不安が広がり、関税によるインフレ懸念が株価の重しとなった。加えて、米消費者態度指数が7か月ぶりの低水準に落ち込んだことや、1月の雇用統計で雇用者数の増加が予想を下回ったことも投資家心理を冷やした。
1.2 VIX指数の日中の動き
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VIX指数(恐怖指数)は、取引時間中に大きく上昇。特に深夜1時以降、トランプ氏の関税発言や雇用統計の発表を受けて急騰し、一時17近くまで上昇した。これは市場の不安感が急速に高まったことを示しており、投資家がリスク回避の動きを強めたことがうかがえる。
1.3 株式市場変動要因
ポジティブな要因
Uberが著名投資家の大規模な買い増しを受けて上昇
Expediaが市場予想を上回る決算を発表し上昇
エヌビディア、シェブロン、ビザが上昇
ネガティブな要因
トランプ前大統領が新たな関税措置を示唆し、市場に不安が広がった
1年先のインフレ期待が4.3%に上昇し、利下げ期待が後退
2月の米消費者態度指数が市場予想を下回り、7か月ぶりの低水準となった
1月の雇用統計で雇用者数の増加が市場予想を下回った
ダラス連銀のローガン総裁が利下げの即時実施に慎重な姿勢を示した
Amazonが四半期業績ガイダンスの弱さを嫌気され4%下落
テスラが中国でのEV販売減少を受け3.3%下落
Apple、Microsoft、Alphabet、ブロードコムなどのハイテク株が売られた
消費関連株が2.5%下落し、大型ハイテク株から資金流出
1.4 セクター動向
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ハイテクセクターが大幅安
Apple(-2.40%)、Microsoft(-1.46%)、Google(-3.27%)など、大型テクノロジー株が軒並み下落。金利上昇が割高感を強めたほか、決算発表後の売りも影響した。消費関連株の下落
Amazon(-4.05%)、ウォルマート(-1.65%)、コストコ(-0.68%)など消費関連株が軒並み売られた。消費者心理の低下とインフレ懸念が影響した。エネルギー株は堅調
エクソン・モービル(+0.42%)など、エネルギーセクターの一部は原油価格の安定を背景に上昇。
1.5 個別銘柄
AMZN: 2025年1〜3月期の売上高見通しが市場予想を下回り、業績懸念から4%下落。特にAWS(アマゾン・ウェブ・サービス)の成長鈍化が懸念材料となった。
TSLA: 1月の中国のEV販売が前年同月比で減少したことが伝わり、3.3%下落。
GOOGL: 今週発表の決算が市場予想を下回り、下落が続いた。
2. 米国債券・為替市場
2.1 概況
10年債利回り: 4.49%(+0.06%)
2年債利回り: 4.29%(+0.08%)
1月の雇用統計では、雇用者数の増加が予想を下回ったものの、失業率は4.0%に低下し、賃金上昇率も市場予想を上回った。この結果、労働市場の底堅さが示され、FRBの利下げ期待が後退。これを受けて米国債は売られ、長期金利が上昇した。
2.2 Fed Watchツール
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次回のFOMC会合は2025年3月19日に予定されている。
現行の政策金利: 425-450bps
市場予想:
400-425bpsへの利下げ確率は8.5%
据え置き(425-450bps)の確率は91.5%
市場では、FRBが当面の利下げを見送るとの見方が強まっており、年内の利下げ回数も1回に縮小するとの観測が広がっている。
2.3 債券利回り曲線(イールドカーブ)
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現在のイールドカーブ(青線)は、1か月前(オレンジ線)や1年前(水色線)と比較すると、短期ゾーンの金利がやや上昇し、長期金利が比較的安定している。
依然として逆イールド状態が続いており、景気後退懸念が根強いことを示唆している。