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2024-12-06 米国金融市場動向
総括
12月6日の米国金融市場では、米国債利回りが低下し、株式市場ではテクノロジー株が引き続き好調でした。一方で、ダウ平均は利益確定売りに押され続落しました。11月の雇用統計の結果を受け、12月のFOMCで利下げが行われる可能性が高まり、債券市場が買い優勢となっています。これらを背景に、ハイテク株が市場全体を牽引しました。
1. 株式市場
1.1 概況
12月6日の米国株式市場では、ダウ工業株30種平均が前日比123ドル19セント(0.27%)安の44,642ドル52セントで続落しました。一方、S&P 500種指数は0.24%上昇し、6,090.27と最高値を更新。ナスダック総合指数も0.80%上昇し、19,859.77で終え、こちらも最高値を記録しました。11月の雇用統計結果により、12月の利下げ観測が強まったことが市場全体を支えました。
1.2 VIX指数の日中の動き
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VIX指数は前日比で大きな変動は見られなかったものの、深夜0時頃に急上昇する場面がありました。その後はやや安定し、終値にかけて17台半ばで推移しました。この動きは、米国雇用統計発表後の一時的な市場の警戒感の高まりを反映したと考えられます。VIX® Index Charts & Data
1.3 株式市場変動要因
ポジティブな要因
11月の雇用統計で非農業部門の雇用者数が市場予想を上回る22.7万人増。
12月FOMCでの0.25%利下げ確率が85%に上昇。
米長期金利の低下がハイテク株への資金流入を活発化。
ナスダック総合指数とS&P 500種指数が最高値を更新。
ルルレモンやウルタビューティの好調な業績予想。
ネガティブな要因
ダウ平均は利益確定売りが優勢。
ユナイテッドヘルスCEO急逝による5%の下落。
インフレの高止まりにFRBボウマン理事が慎重な姿勢を表明。
1年先の予想インフレ率が2.9%に上昇。
1.4 セクター動向
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ヒートマップを見ると、テクノロジーセクターが全体的に上昇しており、特にNVDA(+0.53%)やACN(+3.63%)が顕著な上昇を見せました。一方、ヘルスケアセクターではLLY(-0.46%)やUNH(-0.50%)の下落が目立ちました。金融セクターも堅調で、WFC(+1.70%)やJPM(+1.65%)が上昇しています。Stock Heatmap — TradingView
1.5 個別銘柄
NVDA: 株価+0.53%。テクノロジーセクター全体の上昇に寄与。
AMZN: 株価-2.22%。テクノロジー株の一部利益確定売りが影響。
TSLA: 株価-0.70%。電気自動車市場の成長期待は維持されるも、短期的な売り圧力あり。
META: 株価-0.43%。ナスダック指数を下支えするも、小幅な調整が見られた。
2. 米国債券・為替市場
米国債券市場では10年債利回りが4.15%と10月下旬以来の水準に低下。雇用統計結果を受け、12月の利下げ期待が高まり、長期債の買いが優勢となりました。一方、2年債利回りも4.10%で終了し、短期金利の低下が目立ちました。
2.1 Fed Watchツール
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次回のFOMC会合は2024年12月18日に予定されています。現行の政策金利は450-475bpsです。市場では425-450bpsへの利下げの確率が85.1%、据え置き(450-475bps)の確率が14.9%と予測されています。雇用統計結果を受け、12月利下げの確率が上昇しました。CME FedWatch
2.2 債券利回り曲線(イールドカーブ)
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イールドカーブでは全体的に利回りが低下しており、特に短期債の利回りが1か月前よりも顕著に下がっています。この動きは、FRBの利下げ観測が市場で強まった結果と見られます。長期債利回りは比較的安定しており、経済成長への慎重な楽観視が反映されています。US government bonds