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2025-01-03 米国金融市場動向
総括
2025年1月3日の米国市場は、主要株価指数が揃って反発しました。テクノロジー株の上昇が主導し、S&P500は1.26%高、ナスダックは1.77%高となりました。特にAI関連銘柄が市場を牽引しました。一方で、バイデン大統領によるUSスチール買収阻止やインフレ懸念が依然として市場の不安材料として残っています。
1. 株式市場
1.1 概況
1月3日の米国株式市場では、ダウ工業株30種平均が339ドル高(+0.80%)、S&P500は1.26%高、ナスダック総合指数は1.77%高と揃って上昇しました。前日までの連続下落を受けた自律反発の動きや、経済指標の改善が買い材料となりました。
1.2 VIX指数の日中の動き
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VIX指数は前日から低下し、取引終了時点では16台まで下落しました。序盤には一時18近くまで上昇しましたが、市場の安定感が戻るにつれて低下していきました。これにより、投資家心理の改善が見られました。VIX® Index Charts & Data
1.3 株式市場変動要因
ポジティブな要因
米サプライマネジメント協会(ISM)の12月製造業景況感指数が市場予想を上回る49.3を記録し、景気の底堅さが示された。
テクノロジー株、特にAI関連銘柄(エヌビディア、マイクロソフト、スーパー・マイクロ・コンピュータ)の上昇。
マイクロソフトが800億ドル規模のAIデータセンター投資を発表。
リッチモンド連銀のバーキン総裁の「米経済の基本的見通しはポジティブ」との発言。
ネガティブな要因
バイデン大統領が日本製鉄によるUSスチール買収を国家安全保障上の理由で阻止し、USスチール株が急落。
インフレ懸念および財政・金融政策への不透明感。
アルコール関連銘柄(モルソン・クアーズ、ブラウン・フォーマン)が、米公衆衛生局長の発がんリスク警告を受け下落。
一部の主力株(ボーイング、ナイキ、アップル)の下落。
1.4 セクター動向
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ヒートマップでは、テクノロジーセクターが全体的に好調で、特にエヌビディア(+4.45%)、マイクロソフト(+1.14%)が大きく上昇しました。一方、消費関連銘柄ではアップル(-0.20%)やコカ・コーラ(-0.15%)が軟調でした。Stock Heatmap — TradingView
1.5 個別銘柄
NVDA: AI関連技術の成長期待により株価4.7%上昇。
MSFT: 800億ドル規模のAIデータセンター投資発表で1.1%上昇。
TSLA: 中国市場での2024年販売実績が過去最高を記録し、株価8.2%上昇。
AAPL: 市場全体の下落圧力の中で0.2%下落。
US Steel: バイデン大統領が日本製鉄による買収計画を阻止し、6.5%下落。
2. 米国債券・為替市場
2.1 概況
1月3日の米国債券市場では、10年物国債利回りが4.60%まで上昇しました。ISM製造業景況感指数が市場予想を上回り、米景気の底堅さが意識されたことから、債券売りが優勢となりました。また、リッチモンド連銀バーキン総裁のインフレ懸念発言や、来週予定されている複数の国債入札(3年、10年、30年物)への警戒感も影響しました。
2.2 Fed Watchツール
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次回のFOMC会合は2025年1月29日に予定されています。現行の政策金利は425-450bpsです。市場では、据え置き(425-450bps)の確率が88.8%、400-425bpsへの利下げ確率は11.2%と予測されています。利下げ期待は限定的であり、FRBの慎重な姿勢が反映されています。CME FedWatch
2.3 債券利回り曲線(イールドカーブ)
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最新のイールドカーブ(青線)は1カ月前(オレンジ線)、1年前(緑線)と比較して、全体的に利回りが上昇しています。特に短期債の利回りが大幅に上昇し、1カ月前と比較して1年債利回りは約4.4%から4.6%へ上昇しています。依然として長短金利差の逆転状態(逆イールド)が続いており、景気減速への警戒が継続しています。US government bonds