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2024-10-18 米国金融市場動向
総括
10月19日の米国市場では、ネットフリックスの好決算やテクノロジー株全般の上昇が相場を支えました。S&P 500、ダウ平均は6週連続で上昇し、特に「マグニフィセントセブン」に含まれる主要テクノロジー銘柄が市場をリードしています。一方、エネルギーセクターは原油価格の下落を受けて軟調です。今後も企業の決算発表に注目が集まりそうです。
1. 株式市場
1.1 概況
S&P 500とダウ平均は6週連続の上昇を記録しました。特にネットフリックスが第3四半期決算で市場予想を上回る売上を発表し、株価が11%急騰したことがハイテク株全体の上昇を牽引しました。また、AppleやNVIDIAもそれぞれ1.23%、0.78%上昇し、投資家心理を押し上げました。一方、エネルギーセクターは原油価格の下落や一部企業の失望決算により弱含みです。
1.2 VIX指数の日中の動き
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VIX指数は、19.5付近でスタートし、その後徐々に低下しました。夜間に一時的な急上昇が見られたものの、再び下落に転じ、終盤には18以下で推移しました。終値はおおむね日中の安定した低ボラティリティを示唆しています。
1.3 株式市場変動要因
ポジティブな要因
ネットフリックスの好決算と広告付きプランの加入者増加が通信サービスセクターを押し上げた
テクノロジー株全般の上昇(特にApple、NVIDIA、Amazon、Alphabet)
米国経済が大幅な悪化を避けられるとの観測が投資家心理を支え、主力株への資金流入が続いた
中国でのiPhone販売好調がApple株価を押し上げた
住宅着工件数の増加が市場心理を改善
ネガティブな要因
アメリカン・エキスプレスの決算が予想を下回り株価が下落
原油価格の下落によりエネルギーセクターが軟調、特にSLBが失望決算で下落
CVS HealthがCEO交代と2024年の利益予測撤回により株価が大幅に下落
1.4 セクター動向
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この日のヒートマップでは、テクノロジーセクターが全体として強いパフォーマンスを見せました。Apple、NVIDIA、Amazonといったハイテク銘柄がプラス圏で取引を終え、特にネットフリックスは11%の急騰が目立ちました。一方、エネルギーセクターは軟調で、ExxonMobilやChevronが原油価格の下落に反応して下落しています。
1.5 個別銘柄
NFLX: 第3四半期決算で予想を上回る売上高を達成し、広告付きプランの加入者が35%増加、株価は11%上昇
AAPL: 中国でのiPhone販売が好調で、株価が1.2%上昇
NVDA: アナリストによる目標株価の引き上げで0.8%上昇
AMZN: 投資家のハイテク株への心理改善に伴い、株価が上昇
GOOGL: 株価がハイテク株全般の上昇に伴い上昇
2. 米国債券・為替市場
2.1 Fed Watchツール
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Fed Watchツールによると、2024年11月のFOMC会合において、政策金利が現在の4.75-5.00%から4.50-4.75%に引き下げられる確率が92.9%と非常に高いことが示されています。一方、据え置きの確率は7.1%にとどまり、利下げが濃厚とみられます。
2.2 債券利回り曲線(イールドカーブ)
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イールドカーブは依然として短期金利が長期金利を上回る「逆イールド」の状態が続いています。特に1年債の利回りが4.8%と高く、景気減速懸念が強い中、短期のリスク回避が続いている様子が見られます。長期金利はやや上昇しましたが、依然として4.4%程度にとどまり、長期的な景気の弱さを反映しています。