ホテルのカフェでお茶してたら、思いがけず悲しみに暮れた話。
10月に入り、秋晴れの空が心地よかったある日のこと。思いきって遠出でもしたい気分だったが、原稿が溜まっていたのでそうもいかず、せめて景色のいいカフェで仕事をしようと出かけることにした。
そういえば、都内にはオリンピック需要を見込んで新たに建てられたホテルがいくつかあるが、どこも閑古鳥が鳴いているという話もある。せっかくだから、そうしたホテルに足を運んでみようかと、自宅からギリギリ車椅子移動できる場所にあるホテルを訪れてみることにした。
事前にホームページで確認したとおり、1階にあるカフェは広々とした空間で、窓の外には豊かな緑が広がっている。とても居心地の良い場所だった。宿泊客はそこまで多くなさそうだったが、カフェはなかなかの人気ぶりで、何組かのマダムたちがおしゃべりに花を咲かせていた。
ゆったりとした背もたれが心地いい椅子に身を預けて考えごとに耽ってみたり、とても豊かな学びを与えてくれる本と向き合ってみたりと、しばらく贅沢な時間を過ごしていたが(「あれ、おまえ原稿を書きにカフェ来たんじゃないの?」という苦情は受け付けません笑)、やがてトイレに行きたくなってしまった。
スタッフの方にお聞きしたら、カフェ内にはトイレがないようで、フロント近くにあるトイレを利用してほしいとのことだった。
「こちらでございます」
ご丁寧にカフェから出て、わざわざトイレの場所までご案内くださったスタッフに礼を述べ、私はトイレに向か——ん?
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「乙武洋匡の七転び八起き」
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