2023年にもなって、なぜ「初」なのか、みんなに考えてもらいたい。
私は特に文芸ファンというわけでもないこともあり、恥ずかしながら前回の芥川受賞者がどなたなのか、そのお名前を把握していない。前回どころか、きちんと記憶にあるなかで言えば、受賞作『火花』が話題になった又吉直樹さんが最後になるのかもしれない。
そんな私でも、今回の受賞者の名前がしっかりと記憶に刻まれることは間違いない。
市川沙央(いちかわ・さおう)
まだ受賞作の『ハンチバック』を読めてさえいないのに、なぜ彼女の名前が深く刻まれたのかと言えば、それは『ハンチバック』が重度の障害