【義足プロジェクト #17】 理学療法士という“魔法使い”がやってきた。
十二月十九日。よく晴れた日の朝、ひとりの理学療法士が遠藤氏に伴われてわが家にやってきた。内田直生。二十五歳。
「おはようございます!」
人当たりのよい笑顔で、元気いっぱいに挨拶をする姿に好感が持てた。だが、大学生と言っても通用しそうな若々しさ。経験もないだろうし、だいじょうぶだろうかと心配になったが、遠藤氏の人選を信じるしかない。
二十分ほどストレッチを受けたあと、いよいよ義足の歩行を見てもらった。これが驚いた。
「乙武さん、腰、痛いですよね」
歩き始めた途