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残念な担任

ある日、子どもの担任から仕事中に電話が入った。
「今日、大変申し訳ないことをしてしまった」
「ゴミの授業で自宅のゴミ調べにオムツと書いてあったから、赤ちゃんがいるの?と尋ねてしまった」

聞いた瞬間に凍りついた。本当に事実なら信じられなかった。

しかしそこで話は終わらず、更に担任の話は続いた。

子どもは「いません」と答え顔色が変わった。その様子からまずかったと思い、授業が終わってから、子どもを呼んで配慮が足りなかったと謝った。その瞬間、子どもは泣き出してしまった「大変申し訳ないことをした」という話だった。

こんなに悲しいことが故意に起こったことに愕然とした。子どもの父親は植物状態で在宅介護をしながら生活している話は入学した時から都度伝えていた。知っているから安心して良いと思っていた愚かさに腹が立った。
我が家の状況を知っていてなんでそんなことしたんですか。としか返す言葉がなかった。

担任は帰る前にも子どもを呼び出して「誰かに何か嫌なことを言われなかった」と尋ね大丈夫だったこと確認してから帰宅させたと話した。

更に凍りついたというか言葉を失った。気が変になりそうだった。勝手に涙も流れてきて、担任という人間に失望した。

しくじった告白。都合の良い報告。
子どもの父親は植物状態で在宅介護している話は以前から知っていたのに失言した事実。

信頼していた担任に父親を軽視する発言を皆の前でされたことが、つらく、悲しく、ショックだったと思う。

発言の重みに気づけずに、他の子どもからの冷やかしに気がまわる。担任が子どもを恥ずかしめたことが理解できない。

たった一言で子どもを深く傷つけた人。信じて託していた私は隙を見事に突かれ、報告を聞いてやりきれなかった。

失言に至る経緯を質問したが誠意も何もない回答で言い訳だけだった。

介護や植物状態については聞いていたが、オムツが繋がるとは思っていなかった。前任からの十分な引き継ぎがなかった。

入学時から合理的配慮を求めて父親の姿を伝えていた。しかし、伝えたからといって理解してもらえるわけでも配慮してもらえるわけではないことを学んだ。

普段理解してくれている人たちの中で過ごしていて、担任のような人をこちらが忘れていただけなのだなと改めて気づかされた。

残念な担任、もう彼の目を見ることは私はできないだろう。上べだけの人は怖いから。子どもには申し訳ないけれど、近寄ってはいけない人がここにいた。やさしい目の奥に心の闇を持つ人。とても評判の良い先生だけど怖い人。

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