見出し画像

消化器病専門医試験2023年復元問題

割引あり

2023年10月1日に開催された消化器病専門医試験の復元問題です。
合格したため、復元問題を作成し、公開することとしました。
なお、各問題には予備知識も記載しておりますので、ぜひ活用して頂けますと幸いです。その前に個人的に行った試験対策を以下に挙げます。

①消化器病学会専門医試験過去問 
第9集・第8集(2〜3周)、第7集(2周)
②noteに掲載されている過去問(2022年)を購入。
③専門医のための消化器病学 第3版
④各種ガイドライン(消化器病学会が無料公開していたガイドラインや実際に神経内分泌腫瘍のガイドラインや癌取り扱い規約も購入し、活用しました)

実際の試験は、これまでの試験と比べて外科の問題がかなり増えた印象です。
胃がんの術式を答えさせる問題が4問程度出ていたかと思います。
(D1+郭清等細かいところまで)
また、直腸癌術後のストーママーキングについての知識問題もありました。
そのため、ある程度はステージングとそれに相当する治療法に関しては対策が必要かと思います。
復元問題の内訳は以下のとおりです。
食道 10問
胃  21問
大腸 24問
肝臓 16問
胆膵    12問
その他 5問(消化管と上皮の組み合わせ、フレイルについて、倫理審査を通さなくても良い研究について、臨床試験について、DPCについて)
計88/100問です。

2023年10月の試験もCBT形式でした。会場(私は新宿会場でした)に到着し、受付後には荷物をすべてロッカーに入れて入室することとなるため、直前までロッカーの前で資料を眺めたりしている方も所々いらっしゃいました。
また、試験中は筆記用具の使用は不可でメモも出来ませんでした。

2023年第33回消化器病専門医試験結果 
受験者数 837名 欠席者数 30名 合格者数 612名 合格率 73.1%であり、ここ数回の試験と比較し、約14%ほど合格率が低下しており、以前に戻った印象です。

★NEW ! 2024年2月19日 
バレット食道や食道胃接合部癌等(Siewert、西の分類)の定義を追加しました。
★NEW ! 2024年2月29日
便秘症に関してガイドラインから抜粋し、記載しました。
★NEW ! 2024年5月27日
・GIST、IBS、慢性膵炎について追記しました。
・胃癌の組織型分類と記載法について追記しました。
・リンチ症候群における関連腫瘍の累積生涯発生率について追記しました。
・自己免疫性胃炎について追記しました(胃10)
・肝性浮腫 / 脳症の治療について追記しました
★NEW ! 2024年6月1日
遺伝子診断やカウンセリングについて追記しました。
(大腸ポリープ診療ガイドラインから抜粋)
★NEW!2024年6月10日
IPMNの特徴、MCNの参照リンク
UC, Crohn病の保険適用薬について追記しました。
★NEW ! 2024年6月19日
ピロリ菌の知識についての画像を添付しました。
食道癌に関する知識を追記しました。(咽喉頭の観察、ヨード染色などについても)
★NEW ! 2024年6月20日
食道アカラシア、食道静脈瘤に関する知識を追記しました。
★NEW!2024年6月22日
大腸鋸歯状病変、指定難病、好酸球性食道炎/胃腸炎について追記しました。
★NEW! 2024年6月24日
ポリポーシスについて追記しました。
★NEW!2024年6月26日
若年性ポリープやP-J型ポリープの鑑別について記載しました。

◾️◾️◾️2023年10月1日 消化器病専門医試験 復元問題◾️◾️◾️
⚪︎食道 10/10問
1. 食道癌手術における処理血管で処理しないもの → 上肺静脈 ?
⚫︎咽頭・食道領域の定義・分類
咽頭には粘膜筋板が存在せず、上皮、上皮下層、固有筋層に分類される。
表在癌の定義:咽頭・喉頭では癌細胞の浸潤が上皮下層に止まり、固有筋層に及んでいないものと定義され、リンパ節転移の有無は問わない
早期癌の定義:原発巣の壁深達度が粘膜内にとどまる食道癌を早期食道癌とよび、リンパ節転移の有無は問わない。
内視鏡で切除された病変では、粘膜筋板から200μm以内の粘膜下層にとどまる病変をT1b-SM1とし、200μmを超える粘膜下層に浸潤する病変を全てT1b-SM2とする(SM3は定義されない!!)と規定されている。
食道癌取扱い規約12版から腹部食道(Ae)という表記が削除され、
食道胃接合部上下2cmの部位は、食道胃接合部領域(Jz)と区分することとなった。
Ce(頸部食道):食道入口部(O)〜胸骨上縁(S)
Ut(胸部上部食道):胸骨上縁(S)〜気管分岐部下縁(B)
Mt(胸部中部食道):気管分岐部下縁(B)〜B〜EGJまでの2等分の位置
Lt(胸部下部食道):B〜EGJまでの2等分の位置〜食道裂孔(H)

ここから先は

26,113字 / 7画像

この記事が気に入ったらチップで応援してみませんか?